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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその三

「優れた人材を多く育てるからな」
「まさにそうですね」
「もう我々は虐げられません」
「疎外もされません」
「むしろマウリアの中心になります」
「アウトカースト層ことが」
「真の意味でハリジャンになるのだ」
 ガンジーが名付けた祝福された者達になるというのだ。
「これからはな」
「そうですね、では」
「エウロパの教育改革も学びましょう」
「ギルフォード総統のそれを」
「そうしていきましょう」
「是非な、ギルフォード総統は貴族だ」
 この階級出身であることも話した。
「それもイギリスの名門のな」
「地球にあった頃からの家ですね」
「それもイギリスが今の王家だった頃より前から」
「ハノーヴァー家今の名はウィンザー家ですが」
「あの家より前からでしたね」
「存在していた家でだ」
 それでというのだ。
「代々名士を出した侯爵家だ」
「まさに名門ですね」
「エウロパ貴族の中でも」
「その毛並みは相当ですね」
「貴族の仲の貴族と言っていいですね」
「青い血だ、しかも穢れのない」
 ジャバルはギルフォードと彼の家のことをこう言った。
「まさにな」
「我々とは全く違いますね」
「アウトカーストとは」
「穢れた者達とは」
「それこそ」
「何もかもが違う、我々には青い血なぞ流れていない」
 高貴とされているそれはというのだ。
「まさにな」
「はい、それこそ一滴もです」
「我々には流れていません」
「常に穢れた者達と言われ」
「触れることすら禁じられる」
「そうした者達です」
「天と地どころではない」
 生まれのその違いはというのだ。
「穢れた者と高貴な者ではな」
「まさにですね」
「恐ろしいまでの違いがありますね」
「我々の間には」
「エウロパ貴族とマウリアのアウトカーストでは」
「俗に奴隷という言葉があるが」
 尚奴隷はこの時代人類社会の何処にも存在しない、少なくとも法律的にはそうなっている。
「我々は奴隷になるな」
「シュードラが平民であります」
「俗にカーストの下にあるなら」
「奴隷と訳されることもありますが」
「実際はです」
「シュードラは人間として認められている」
 カーストの中にあるからだ。
「間違いなくな」
「幾らカーストの層が低くとも」
「それでもですね」
「彼等はカーストの中にある」
「だからですね」
「奴隷とは言えないですね」
「もっと言えば奴隷でもだ」
 その彼等でもというのだ。 
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