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星河の覇皇

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第八十六部第四章 エウロパが受けた衝撃その四十七

「家の者達もな」
「食べるべきですね」
「そうだ、味を楽しみ」
「栄養もですね」
「満喫してだ」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「身体を作ってもらいますね」
「そして人口が増えればな」
「その人達もですね」
「常に満腹するまで口にしてな」
 そしてというのだ。
「やはり体格がよくなり」
「人口もさらにですね」
「増えるべきだ」
「人口は増えるべきですか」
「よりな、連合のあの増え方の様にな」
 人口のそれにというのだ。
「増えればな」
「いいですか」
「百年で三倍だ、これが四倍になれば」
 それならというのだ。
「非常にいいがな」
「四倍ですか」
「人口は掛け算で増えるというが」
 そして食料は足し算である、こう言って人口増加に警鐘を鳴らす学説であった。十九世紀から二十世紀にかけてよく言われていた学説だ。
「しかしだ」
「それはですね」
「案外そうはな」
「いかないですね」
「人口は予想より多く増える場合もあるが」
「そうでない場合もありますか」
「この辺りは経済成長率と同じだ」
 こう言うのだった。
「予想通りにはいかない、人間の予想なぞ所詮は神のお考えの前にはな」
「何でもないものですか」
「それがキリスト教の神でもそうであり」
「他のですね」
「オリンポスの神々でもそうだしだ」
 エウロパでの信仰の一端を担っている。
「ヴァルハラの神々でもな」
「同じですか」
「神のお考えから見るとだ」
 それこそというのだ。
「所詮だ」
「人間の予想は」
「何でもない」 
「簡単に外れるものですか」
「そういうものだ、人間は高等な様でだ」
 人間が勝手にそう思ってもというのだ。
「初戦と言う様なだ」
「存在ですか」
「そうだ、まことに所詮だ」
 フレッセルは小さなものを語る声で語った。
「人間はな」
「それで人が増えることも」
「予想通りにはな」
「いかないですか」
「それより多いこともあればな」
「少ないこともですね」
「ある、だが今のエウロパはな」
 人口増加政策に転じた今はというのだ。 
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