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神々の塔

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第六十九話 トリックスターその四

「連合軍の殆どをな」
「動かしたさかいな」
「国力もな」
 これもというのだ。
「相当に使ったわ」
「そやったな」
「それで勝ったらよかったが」
「負けたさかいな」
「実質な、そやからな」
 リーは言うのだった。
「私達は今こうしてや」
「強うなる為にこの塔におる」
「そや、それでや」
「このまま進んでいくな」
「一階一階な」
「何万階もあるけどな」
「その何万階も進んでいけば」 
 施はリーに笑顔で話した。
「もう八割や」
「それだけ進んだ」
「途方もない階数やが」
「その塔も残り二割や」
「あっという間やったな」
 施はしみじみとした口調で話した。
「ほんまに」
「そう言うな」
「ああ、長い様で」
「振り返るとあっという間やな」
「あと二割」
 それだけをというのだ。
「踏破しよな」
「是非な、それとや」 
 シェリルが施に言ってきた。
「外に出たら一ヶ月位しか経ってへんか」
「もうここに十年以上おる気がするけどな」
「実際にそれだけの歳月おるわ」
 施に顔を向けて告げた、実際に宿屋に泊まっているだけでもそれだけの歳月を過ごしていることは明らかである。
「何千日も過ごしてるさかいな」
「そう考えるとな」
「一万日とはいかんまでも」
「何千日と過ごしてるな」
「それやとな」
「もう十年以上おるな」
「しかしこの塔は神霊さん達の領分や」
 それ故にというのだ。
「それでや」
「それだけの歳月しかな」
「経ってへんわ」
 そうだというのだ。
「これがな」
「一ヶ月か、それだけの間は」
「他の皆がちゃんとやってくれてる」
「自分等がおらへんでもな」
「それでもな」
 まさにというのだ。
「一ヶ月位やとな」
「やっていけてるな」
「こっちには有り難い柱がおる」
「太宰がな」
「修ちゃんがおるとや」
 シェリルは太宰を仇名で呼んで話した。
「ほんまな」
「心強いな」
「外交も出来るが」
「それ以外の政のことはな」
「治安も教育も建設も貿易も財政もや」
「太宰は絶対の柱や」 
 施は強い声で言い切った。
「政のことやとな」
「その修ちゃんがおるさかいな」
「大丈夫やな」
「そや」
 シェリルはまさにと答えた。 
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