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神々の塔

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第六十九話 トリックスターその三

「僕等は引き分けた」
「引き分けというけどな」
 施は苦い顔のまま話した。
「実質的にはな」
「負けやった」
 こう言ったのは羅だった。
「ほんまな」
「そやったな」
「そや、もうな」
「実質的にはな」
「わし等は勝てんかった」
 羅も苦い顔だった、その戦のことを思い出してだ。
「大きな損害出して」
「そのことがな」
「あの戦やとな」
「負けやな」
「引き分けといっても」
 そうであってもというのだ。
「ほんまな」
「負けや」
「ああ、苦い負けやった」
 こう言うのだった。
「あの戦は」
「わし等はあの決戦で勝ってな」
「敵の都サマルカンドを手に入れて」
「そこからさらに攻めるつもりやった」
 その時の戦略のことも話した。
「ロシアそれにインドをな」
「攻めていってな」
「そしてや」 
 そのうえでというのだ。
「枢軸を降すつもりやった」
「そやったな」
「そして枢軸を降せば」
「エカテリーナちゃん達も仲間にして」
「広大な領土を統治して」
 連合だけでなく併合した枢軸の領土もというのだ。
「そしてな」
「力を蓄えてな」
「やがて騎士団もやった」
「そう考えてたのが」
 それがというのだ。
「あの決戦で引き分けて」
「枢軸とはいずれとなった」
「そうなったさかい」
 だからだというのだ。
「ほんまあの戦はな」
「負けや」
「そう言ってええな」
「その通りや」  
 トウェインも言ってきた。
「わい等の負けや」
「軍の損害も大きかったしな」
「枢軸も大きな損害出してな」
「星のモンは全員満身創痍になったがな」
「それはお互いでな」
「暫く動けんが」
「こっちもでな」
「あの戦に勝てば枢軸を取り込めた」
 そう出来たというのだ。
「戦略目的を達成出来たが」
「それが出来んかった」
「しかも暫く軍の立て直しと消耗した国力の回復にあたらなあかん」
「五千万の軍を動かした」
 リーはこのことを国の柱である宰相として話した。
「それも一時でなくな」
「結構長かったしな」
「連合を総動員して動かした」
 こうもだ、リーは施に話した。 
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