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夢幻水滸伝

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第三百五十話 西部統一その十四

「中にはな」
「そうした記憶もある」
「そや」 
 まさにというのだ。
「人にはな」
「そのことを知ることですね」
「それで言われへんことをそのままにすることもな」
 そうすることもというのだ。
「思いやりやろ」
「人の心の傷に触れない」
「そや」
 まさにというのだ。
「そうしたこともな」
「人として大事ですね」
「そや、そうしたことを忘れへんでな」
「お話を聞くことですね」
「ああ、それで今回は」
「お話します」
 デリーロはあらためて言った。
「これから」
「宜しく頼むで」
「はい、ただ」
 ここでだ、デリーロはトウェインに笑顔で話した。
「あたし達は別にこっちの世界で、です」
「トラウマないか」
「起きた世界でも」
 こちらでもというのだ。
「遠井君までのことはないです」
「まあ彼は凄いけどな」
「失恋に裏切りと」
「彼はな」
 まさにとだ、トウェインは話した。
「ほんまな」
「不運でしたね」
「ああ、ただ今は幸せにな」
「本当の彼女さんがいてくれて」
「ええ人達が新しい家族になってな」
「ずっと支えてくれたお友達はそのままで」
「幸せやけどな」
 それでもというのだ。
「ああした話はな」
「ない方がええですね」
「ほんまな、あそこまでいくとな」
「トラウマになりますね」
「それでトラウマはな」
「ないに限りますね」
「ほんまな、それでトラウマはな」
 自分が話したくない様なそうしたものはというのだ。
「話さんでええし触れたらな」
「あきませんね」
「そや、そうしたことも気を付けながらな」
「お話をして」
「聞くことや、ほなな」
「これからお話させてもらいます」 
 デリーロだけでなくだった。
 ガーランドそれにオコナーが話をはじめた、三人にもそれぞれこの世界での人生がありそれを語ったのだった。


第三百五十話   完


                   2024・4・15 
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