金木犀の許嫁
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第二十話 大阪の実家その五
「本当にね」
「そうなのね、けれど一緒に帰ろう」
真昼は笑顔で提案した。
「実家にね」
「そうしてくれるの」
「言われて私も帰りたくなったから。それでね」
夜空にさらに話した。
「佐京君と白華ちゃんもね」
「一緒なの」
「幸雄さんも」
彼もというのだ。
「よかったらね」
「幸雄さんが」
「そうだったらね」
「一緒になのね」
「うちに来てもらいましょう」
「幸雄さんもなのね」
「だってご家族でしょ」
それ故にというのだ。
「私達のね」
「だからなのね」
「居候って言われてるけれど」
幸雄自身はというのだ。
「ちゃんとした家族でしょ」
「一緒に暮らしてるしね」
「一緒に暮らしてるなら」
そうした間柄ならというのだ。
「もうね」
「家族ね」
「だからね」
そう考えられるからだというのだ。
「幸雄さんもね」
「お誘いするのね」
「そうしましょう」
こう言うのだった。
「いいわね」
「それで皆でなの」
「五人でね」
家族全員でというのだ。
「是非ね」
「それじゃあ」
夜空は姉の言葉に頷いた。
「佐京君と白華ちゃんと」
「幸雄さんにね」
「声をかけて」
そうしてというのだ。
「いいって言ってくれたら」
「五人でね」
「里帰りね」
「三人がそれぞれ頷いてくれるかはわからないけれど」
それでもというのだ。
「頷いてくれたらね」
「その時は」
「頷いてくれた人達とね」
「一緒に行くのね」
「大阪の私達の実家にね」
「それじゃあ」
夜空はそれならと応えた。
「その時はね」
「ええ、それとね」
真昼はさらに話した。
「大阪って私達にとっては実家のある場所だけじゃないでしょ」
「あっ、十勇士のお家にとっては」
「真田家にとってもね」
「改易されるまでは主に暮らしていた街で」
こう真昼に話した。
「大坂の陣でね」
「幸村様長い間大坂におられたからね」
「真田家の方として」
「それでね」
このことに加えてというのだ。
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