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星河の覇皇

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第八十六部第四章 エウロパが受けた衝撃その二十三

「そうなることだ、難しくともな」
「自分より強い者に向かうことは」
「そうだ、非常にな」
 このことはというのだ。
「難しいことだ、しかし」
「それでもですか」
「そうならないとな」
「連合には勝てないですか」
「エウロパにいてあの国を知らない者はいない」
 一人も、そうした言葉だった。
「その巨大さもな」
「その巨大な敵に向かうには」
「勇気を持つことだ、恐怖を感じても」
 巨大な相手自分より強い相手を前にしてだ。
「その恐怖を克服する、恐怖を克服すれば」
「その時は」
「人は真の勇気を持てるとだ」
 その様にというのだ。
「私は思う、だからだ」
「男爵もですか」
「教育にこの考えを入れている」
「そうでしたか」
「そしてだ」
 それでというのだ。
「優れた人材を育て」
「その人材に真の勇気を授ける」
「ギルフォード閣下の教育改革は素晴らしい、そこにだ」
「さらにですね」
「その要素を加え」 
 勇気、真のそれをというのだ。
「そしてだ」
「よりよくなることですか」
「人としてな、いじめなぞだ」
 フレッセルはいじめについて顔を顰めさせて話した。
「する位ならだ」
「自分を高めることですか」
「その間少しでも本を読み」
 学びというのだ。
「身体を動かすことだ」
「そうして己を高める」
「そうすることだ、弱い者いじめが好きな輩が大成するか」
 それにかまけていてというのだ。
「そもそもな」
「それは有り得ないですね」
「幾らその時腕力があろうともな」
「そこで止まりますか」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そうなる」
「だからですか」
「私はいじめはだ」
 何といってもというのだ。
「断じてだ」
「許さないというのですね」
「人として醜悪だからな、しかしエウロパでもな」
「いじめは存在していますね」
「いじめはまた言うが人間の性の一つだ」
「醜いそれですか」
「そうだ」
 こう言い切った。
「だからエウロパにもな」
「存在していますね」
「人間がそこにある限りだ」
「いじめは存在している」
「そういうものだ、だがどうしてもあると言ってもな」
「それを許すかどうかはですね」
「別だ、私は教育に携わる者としてそしてエウロパ貴族としてだ」 
 誇りある者としてというのだ。 
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