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ハッピークローバー

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第百二十八話 人は強くなってもその十

「それでね」
「シーズン中は日本にいて」
「ずっとビジターで」
 不利とされるその条件でというのだ。
「戦ってもらう」
「そうなればね」
 北海道の娘は笑顔で話した。
「今以上によ」
「巨人負けるわね」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「是非ね」
「巨人は東京から平壌に移って欲しいわね」
「そうよね」
「東京のど真ん中にいたら」
 今の様にとだ、留奈も思うのだった。
「弱い云々抜きに」
「凄い嫌よね」
「何かそこからね」
 東京即ち日本の首都の中心からというのだ。
「悪いものが出されるみたいで」
「嫌よね」
「東京って滅茶苦茶結界張られてるのよね」
「そうそう、何でもね」
 北海道の娘もまさにと応えた。
「四神相応の地でお寺も神社もね」
「色々あって」
「本当に何重にもね」
「結界が張られていて」
「霊的な結界が凄いのよ」
「そうよね」
 留奈も応えた。
「京都もだけれど」
「東京もね」
「かなりのもので」
「日本の首都を護ってるのよね」
「江戸時代からね」
 当時はそこに幕府があった。
「だから滅茶苦茶災害が多いけれど」
「何度も復活してるみたいね」
「ええ、けれど」
「その中心に巨人の本拠地があるなんて」
 戦後日本のモラルの崩壊の象徴と言うべきこの邪悪そのものと言うしかないチームがとだ、北海道の娘も言った。
「結界の意味でもね」
「問題よね」
「折角お寺に神社にってあって」
「四神がいて」
「何か山手線や高僧ビルもね」 
 東京のそうしたものもいうのだ。
「結界らしいけれど」
「その中にあんなのあったら」
「あそこ絶対に結界じゃないから」  
 東京ドームはというのだ。
「もうね」
「邪悪の瘴気を放つ場所よね」
「そんなところがあると」
「折角の結界も台無しよね」
「だからね」
 そうであるからだというのだ。
「巨人は東京じゃなくてね」
「平壌に行くべきよね」
「そのまま日本の北朝鮮だから」
 巨人はというのだ。
「あそこに行って」
「シーズンオフやキャンプの時はあっちで」
「シーズン中はずっとビジターで日本にいてね」
「あちこち回りながら野球やればいいわね」
「そうしてくれたら」 
 それならというのだ。
「もっと弱くなるし」
「日本から悪いものを出すものが一つ減るし」
「それも一番大きなものがね」
 巨人の邪悪の瘴気がどれだけ戦後の日本を穢し蝕んできたか、考えるだけでおぞましいものがある。 
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