ジャージ女
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第一章
「デザインとか大事だよ」
「お洒落になるのね」
「そうだよ、スポーツ選手もいいジャージ着てると」
「様になるわね」
「だからさ」
「恰好良さを求めるのね」
「着こなしとかも」
「そうなのね、そうしたことは」
春琴はこれまでの自分のジャージの着こなしを振り返った、そうして言った。
「考えなかったわ」
「じゃあこれから考えたら?」
「そうね」
高橋の言葉に頷いた、そうしてだった。
今着ているジャージの着こなしを考えた、そして新しく買ったジャージは高橋が言ったブランドにしてみた。学校指定のジャージも着こなしを考えてだった。
着てみた、するとだった。
「あれっ、変わった?」
「可愛くなった?」
「これまではジャージになったサボテンみたいになったのに」
「それが変わった?」
「うん、お洒落な着方を勉強して」
ジャージのそれをとだ、春琴は寮の友人達に話した。
「着てみたし新しいジャージもね」
「八条スポーツのブランドね」
「アツオにしたわね」
「そっちの赤いジャージね」
「恰好良いわよね、アツオ」
「それにして」
そしてというのだ。
「野暮ったくじゃなくて可愛く、あと寝間着のジャージと普段着のジャージも分けたわ」
「これまで寝ても起きてもだったけれど」
「それも変えたのね」
「そうしたのね」
「そうなの、これからは」
まさにというのだ。
「可愛くね」
「ジャージを着ていく」
「そうするのね」
「これからは」
「そうするわ」
こう言ってだった。
春琴は実際にジャージを可愛く時には格好良く着る様になった、するともういつもジャージかという様なことを言われなくなった。ジャージ姿の時も奇麗と言われる様になったのだった。
ジャージ女 完
2024・5・19
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