| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

金木犀の許嫁

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十七話 生まれ変わりならその十二

「理想、目標は高いならです」
「高い程いいですか」
「その分自分を高められるので」
 その人の域に達しようと努力してというのだ。
「ですから」
「それで、ですか」
「理想、目標とする人はです」
「素晴らしい人であればある程ですね」
「いいです」
「そしてその人の様に素晴らしくなる様ですね」
「努力することです」 
 まさにというのだ。
「まことに」
「そうなのですね」
「例え達することが出来なくても」
「その人の域まで」
「それでもです」 
「努力していって」
「自分を高めることです」
 こう白華に話した。
「まさに」
「そうなのですね」
「ですから私はです」
「幸村公をですか」
「尊敬していき」
 そうしてというのだ。
「己を高めていきたいです」
「ご自身をですね」
「私は何も持っていませんでした」
 白華にこうも話した。
「人は誰もがですか」
「生まれた時はですね」
「白紙であり何もです」
「持っていなかったですね」
「はい、ですが」
 それがというのだ。
「努力して敬虔して」
「色々なものを持つ様になりましたか」
「それで少しはましになったかも知れません、ですが」
 それでもというのだ。
「幸村公と比べますと」
「全くですか」
「及びません」
 そうだと自分で言った。
「ですからこれからも」
「努力されていって」
「そしてです」
「ご自身を高められていきますね」
「そうしていきます」
「では私も」 
 白華ははんぺんを食べてから応えた。
「努力しまして」
「ご自身を高められていきますか」
「そうしていきます」
 幸村に微笑んで話した。
「ずっと」
「そうされて下さい」
「尊敬する人の様に」
 その尊敬する人もだ、白華は話した。
「伊賀のひいお祖母様の様に」
「あちらの」
「はい」 
 まさにというのだ。
「あの方の様にです」
「なられますか」
「そうします」
 こう言うのだった、そしてだった。
 白華はカルピスチューハイも飲んだ、そうしておでんも楽しんだ。そのうえで努力して自分を高めていこうと誓うのだった。


第十七話   完


                    2024・3・8 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧