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星河の覇皇

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第八十六部第三章 学園の理事長としてその四十九

「まとめていてだ」
「平和にしていました」
「彼がいる間はな」
「そうでした、ですが」
「彼がいなくなるとだ」
 そのチトーがだ。
「ユーゴスラビアはな」
「分裂し無残な内戦が起き」
「解体してだ」
「なくなりました」
「そして多くの国家に分かれた」
 これは歴史にある通りだ。
「セルビアやクロアチアにな」
「今の連合には彼等の国がありますが」
「流石に今はあの様な対立はないが」
「歴史は残っています」
「そうだ、だからだ」  
 それでというのだ。
「それを見るとな」
「チトー大統領は英雄であっても」
「彼一代だった」
「そこまででしたね」
「ユーゴスラビアを以後も維持することは出来なかった」
 チトー死後もだ。
「あの国をまとめたことは偉大だったが」
「それでもでしたね」
「後には続けられなかった」
「国家を維持するシステムの構築も」
「後継者を育てることもな」
 ユーゴスラビアを維持出来るだけのだ。
「残念なことだが」
「彼にとっても」
「それは出来なかった」
「だから一代ですね」
「スターリンにも臆しなかったが」
 恫喝され逆に刺客を送ると言い返して黙らせたのである、そして工作合戦にも勝利してみせたのだ。
「しかしだ」
「それは出来なかった」
「素晴らしく偉大な人物だったが」
「後世にはですね」
「出来なかった、だが」
「あの総統殿は」
 ギルフォードはというのだ。
「出来る」
「それがですね」
「厄介だ」
 そうだというのだ。
「連合にとってはな」
「よく最近ブラウベルグに匹敵する強敵と言われていますが」
「私はだ」
「あの御仁以上とですか」
「見ている、少なくとも劣りはしない」
「あのブラウベルグに」
「ブラウベルグは恐ろしい敵だった」
 これは連合から見てだ。
「こちらが何をしてもだ」
「生き残りましたね」
「アメリカや中国やロシアが幾ら刺客を送ろうともな」
「全てかわした」
「そうしてだ」 
 そのうえでだったのだ。
「エウロパをあの様な国家にしてだ」
「独自の国家として確立させ」
「そして宇宙に進出してだ」
「あの様になりました」
「貴族制度を確立させ」 
 そしてというのだ。 
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