| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百二十七話 お金の価値その十二

「殺されて当然じゃない?」
「だからその殺し方がね」
「酷いのね」
「ええ、無表情で殺すし」
 この主人公の常である、主要な登場人物には情を向けるが所謂モブと呼ばれるキャラクターにはそうなのだ。
「えげつないわ」
「それで救世主じゃないんじゃないかって」
「というか悪人殺して回るだけで」
「救世主になれるか」
「キリストさんみたいにね」
「キリストさんじゃないわね」  
 富美子が見てもだ。
「本当に只のね」
「悪人を殺して回ってるだけね」
「それもその時の気分次第でね」
「えげつない殺し方する」
「無茶苦茶な人でしょ」
 留奈は考える顔になって話した。
「何も知らないし」
「そういえばお兄さん二人が実の兄弟って知らなかったのよね」
 理虹はこのことを指摘した。
「そうなのよね」
「ああ、そうだったわね」
 富美子も言われて頷いた。
「これが」
「それで一番上のお兄さんにさらにお兄さんがいることも」
「知らなかったわね」
「他にもね」
「色々知らなかったわね」
「ひょっとしてね」
 理虹はまさかという顔になって言った。
「頭かなり悪いんじゃない?」
「実は」
「あそこまで知らないことが多いと」
「そういえば頭使う場面ないわね」
「悪人を容赦なく殺すだけでね」
「そういえばね」
 富美子もここでこう言った。
「二番目のお兄さんと偽物間違えてたわね」
「全然似てなかったのにね」
「自称天才の偽物がね」
「逆に何処が似てるんだって」
「言える位なのに」
「わからないって」
「おかしいわね」
 理虹に確かにという顔で応えた。
「あれもないわね」
「そうでしょ」
「普通間違えないわよね」
「そこを間違えるし」
「あの主人公おかしいのね」
「私もそう思うわ、核戦争の後とかお金の価値がなくなったら」
 そうした世の中になればというのだ。
「モヒカンが出てね」
「ああいうのが出て来るのね」
「そうなるって思ったら」
「絶対に嫌ね」
「そうよね、いやあの主人公はね」
 理虹はさらに言った。
「もう平和な世の中で」
「静かに暮らして欲しいわね」
「マッサージはして欲しくないけれど」
「向いてない?そのお仕事」
「いや、ちょっと文句言ったらね」
 客として利用してというのだ。
「例えばもっと優しくしろ馬鹿とか言ったら」
「ああ、馬鹿とは何だって」
「その瞬間に秘孔突いて」
「爆発させてくるわね」
「絶対のそうするでしょ」
「そうね」
 富美子も確かにという顔で頷いた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧