金木犀の許嫁

「確かに私もタイプあるけれど」
「お姉ちゃん眼鏡好きよね」
「それで知的でね」
　そう言ってよくてというのだ。
「清潔な」
「そんな人が好きよね」
「外見はね、けれどね」
「外見よりも」
「性格よ。優しくて穏やかで」
　そうしたせいかくでというのだ。
「紳士なね」
「そんな人が好きね」
「ええ、それでね」
　真昼は夜空にさらに話した。
「暴力は振るわない、ギャンブルにのめり込まない」
「やってもね」
「麻薬もしない」
「そうした人よね」
「普通って言われるけれど」　
　そうした人はとだ、真昼は話した。
「案外そうしたね」
「普通の人っていないわよね」
「中にはね」
　それこそという口調で言うのだった。
「ギャンブルとお酒ばかりで働かないで」
「借金作ってね」
「暴力まで振るう」
「そんな人いるわよね」
「世の中にはね」
「そうだしね」
「だから普通って言われる様な」　
　そうしたというのだ。
「そんな人がね」
「お姉ちゃんはいいわね」
「ええ、むしろ願望高いんじゃないかってね」
　その様にというのだ。
「私思ってるわ」
「普通の人って案外普通じゃないから」
「だからね」
「そうよね。けれどね」
　夜空は姉にそれでもと話した。
「若しかしたら」
「そうした人となのね」
「お姉ちゃん巡り合えるかもね」
「そうだといいわね。けれど私今はね」
　クラスで話したことを妹にも話した、ここで恋愛をしたいという気持ちははなかったしそれを隠すことはアンフエアだと思ってだ。
「恋愛はいいわ」
「そうなの」
「毎日充実してるから」
　だからだというのだ。
「それでね」
「いいのね」
「ええ」
　そうだというのだ。
「恋愛はね」
「そうなのね」
「夜空ちゃん達と楽しく暮らして」
　そうしてというのだ。
「美味しいもの飲んで食べて」
「そうしてなの」
「学校に通えて部活もね」
「楽しんでるわね」
「素敵な本も読めてるし」　
　このこともあってというのだ。
「それでね」
「充実してるのね」
「毎日ね」
　そうだというのだ。
「私はね」
「そうなのね」
「だからね」
「そうした人が傍にいても？」
「いや、そうなったら」
　すぐにだ、真昼は答えた。