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スーパー戦隊総決戦

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第六話 獣の力その八

「かつてジャシンカという国があったが」
「ジャシンカ!?」
「っていうと?」
「地下に存在していた有尾人の国だ」
 そうした国があったというのだ。
「今は滅亡してしまったが」
「そうだったんですか」
「そんな国も」
「ダイナマンに敗れた。今はない」
 こう一同に話す。
「しかしそうした国があったこと、そして地下にその跡が今も残っているのは確かだ」
「地下にそんな国があったなんて」
「世の中は広いよな」
「全く」
 皆そうした国があったことは知らなかった。あらためて驚く次第だった。
「今はヘルガイユ宮殿をまた建ててそこにいるみたいね」
「あのおかしな宮殿だな」
 流ノ介は美羽に言った。
「そこを根城にしているというのか」
「そうみたいね。あの顔触れが集まって」
「まあとにかくじゃ」
 またマスターシャーフーが一同に話す。
「あの連中に聖杯を渡す訳にもいかん」
「そうですね、それは」
「そんな力を持つものは」
「絶対に」
 これは言うまでもなかった。これは確かだった。
「それじゃあとにかく」
「聖杯を探し出して」
「パルジファル王に渡しましょう」
「で、結局聖杯は何処にあるんだ?」
 魁はそれを言った。
「マスターシャーフー、知ってますか?」
「それがわしにもわからんのじゃ」
「そうなんだ」
「わかっていればのう」
 菜月にも言うのだった。
「せめて手懸かりでもあれば」
「しかも聖杯って自分で意志を持って動くのだったわね」
「その通りでございますよ」
 らんるに飛んで来たバエが話す。
「だから余計に発見が困難なのです」
「日本にあるのでしょうか」
 さくらはそれを不安に思っていた。
「果たして」
「世界中?ひょっとして」
 冴はそう考えるとかなり不安なものを感じていた。
「私達世界中回らないと駄目なの?」
「その可能性はあるよな」
 映士もこのことを思うのだった。
「実際にな」
「流石に世界中だと何かあって他のチームが駆け付けることは難しいよな」
「いや、それは言うまでもないことだが」
 暁が走輔に言う。
「だから余計に困ることだが」
「だよなあ。本当に困った戦いだよな」
「しかしそうでもない」
 ここで言ったのはマスターゴリだった。
「どうやらロンの活動は日本に集中している」
「日本に!?」
「というと」
「聖杯は日本にあるようだな」
 彼はそう想定していた。
「確証はないが」
「そうか。日本ならだ」
「そうだね。何とかなるね」
 軍平と範人はそれならと意気を取り戻した。
「とりあえずあちこち探すか」
「そうだね。早く聖杯を見つけ出そう」
「じゃあまたそれぞれのチームに別れて」
「捜索に」
「では皆頼んだぞ」
 マスターシャーフーが最後に言う。こうしてまずはまたそれぞれのチームに別れて捜索に向かう彼等だった。戦いは続くのだった。


第六話   完


                      2010・2・23 
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