八条学園騒動記
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第七百四十九話 本物の馬鹿その十
「殺されてだ」
「いなくなるな」
「そしてそんな奴は自分が殺される時になるとな」
人の命の重みを考えようともせず遺族の人達の悲しみや苦しみをわかろうともしなかったがそれでもというのだ。
「必死にだ」
「命乞いをするか」
「そうするに決まっている」
絶対にと断言した。
「絶対にな」
「自分だけはだな」
「助かろうとな」
そうしようと考えてというのだ。
「泣き叫んでみっともなくだ」
「命乞いをするか」
「その時に言う言葉は決まっている」
そうした輩がというのだ。
「他の人はどうなってもいい」
「自分だけはだな」
「助けてくれとな、家族さえだ」
それこそというのだ。
「差し出してな」
「助かろうとするか」
「そうする」
「本当に自分だけか」
「自分だけ助かろうとしてな」
そのうえでというのだ。
「命乞いをする」
「他の人を犠牲にしてか」
「他の人の痛みや苦しみや悲しみをわからない」
もっと言えばわかろうともしない、タムタムはこの言葉を行間に込めてそのうえで忌々し気に話していった。
「そんな奴はな」
「自分だけか」
「自分がどうかだけでな」
その頭の中にあるのはというのだ。
「それでだ」
「そう言うか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「自分だけ助かろうとする」
「泣き叫んでだな」
「ああ、何かね」
ここでアンが言ってきた。
「ベリヤだけれど」
「ラウレンチー=ベリヤだな」
「ソ連の秘密警察のトップだったね」
幼女愛好者にして性犯罪を好みかつシリアルキラーで権力欲の塊であり謀略を何よりも得意としていた。
「死刑になったけれど」
「その時だな」
「もう泣いて叫んで」
「命乞いしたな」
「結局死刑になったけれどね」
「そいつも同じだな」
「前任者と前々任者は毅然としてたらしいけれど」
これには異説もある。
「ベリヤはね」
「泣いて叫んでだな」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
「命乞いしたらしいわ」
「それまで冷酷に殺していてもだな」
「性犯罪もやってね」
それも幼女相手のだ。
「そんな外道だったけれど」
「ソ連はそれなりに評価もされているが」
ギルバートが言ってきた。
「連合だとな」
「それでもベリヤはね」
「徹底的に批判されているな」
「屑の中の屑だったってね」
その行いそして人格はというのだ。
「言われてるわね」
「ジョージアだとな」
そのベリヤの出身地だ、スターリンのそれでもある。
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