スーパー戦隊総決戦

「ですから今こうして書かれる間に」
「去れるか」
「若しくは貴女を倒すか。もっともそんなことは今はしませんが」
「しないというのか？」
「仕掛ける間を狙うのは容易いこと」
　それはだというのだ。
「しかしそれでは面白くとも何ともありません」
「だからだというのだな」
「その通りです。私は楽しみを欲しているのですから」
　それが彼の言う理由だった。あくまでそれを望んでいるのだ。
「そういうことです」
「機会をあらためよう」
　薫のシンケンレッドも言う。
「それではだ」
「はい、それではまた」
　ロンは慇懃な一礼をそのうえで戦場を去った。そうしてだった。
　残ったのはゲキレンジャー達だった。ここでゲキブルーが皆に言う。
「戦いは終わったけれどね」
「そうそう、君達のことをよく知りたいんだけれど」
　マジシャインが応えて述べる。
「それでいいかな」
「おう、じゃあ恐竜屋で食いながらにするか？」
　ゲキチョッパーはこう提案した。
「そこでどうだよ」
「あっ、恐竜屋知ってるの？」
　マジピンクが顔を出して彼の言葉に応えた。
「へえ、皆あの店に集まるのね」
「俺の野菜も仕入れてもらってるしな」
「そうだったのか。あんた達もあそこと縁があるんだな」
　ゲキバイオレットが話を聞きながら納得した顔で頷いていた。
「世界っていうのは狭いもんだな」
「そうよね。皆それぞれ縁があるから」
　マジブルーも頷いていた。
「じゃあそこに行く？」
「ああ、それならな」
　ここでゲキレッドが話す。
「スクラッチ社はどうだ？」
「スクラッチ社？」
「そこでニキニキ話そうぜ」
　そうしようというのである。
「そこでラーメンでも食いながらな」
「あっ、ラーメンなんだ」
　マジレッドがそれを聞いて述べた。
「それもいいよな」
「カレーもいいけれどな。それも悪くないな」
　シンケングリーンがそれに賛成して応えた。
「寿司とか今まで色々あったけれどな」
「それじゃあそこにする？」
「そやな」
　シンケンピンクとシンケンイエローもそれでいいとした。
「スクラッチ社で」
「ラーメンを食べながらお話して」
「いや、ラーメンだけではないぞ」
　だがここでシンケンブルーが真面目に話す。
「しっかりとこれからのことを話してだな」
「それは忘れないけれどまあとにかく腹が減ったぜ」
　シンケンゴールドはかなり切実に言う。
「それをどうするかだしな」
「とにかくスクラッチ社ね」
　ゲキイエローが話をまとめた。
「皆呼びましょう」
「よし、わかった」
　シンケンレッドがその言葉に頷いてだった。
「行くとしよう」
　こうして話は終わった。他のチームの面々もスクラッチ社に集まる。皆そのプラスチック主体の近代的かつスポーティーな内装の社内に入った。まずは様々な師匠達と会うのだった。
「猫に蝙蝠に鮫にペンギン」
「象にゴリラにガゼルか」
「成程ね」
　誰も驚きはしない。
「宜しく御願いします」
「あれ、驚かないの」
　ランがその彼等に対して少し意外な顔になって問い返した。
「皆最初は結構驚くのに」
「いや、恐竜屋なんかワニが会長だしな」
「ヤツデとデンワまで一緒になった」
「そんなのだし」
　その恐竜屋がそもそもそうなのだった。
「獣だっているし」
「マンドラゴラとかズバーンとか」
「炎神もあるし」
「俺もいるからな」
　ドギーもしっかりと同行している。サングラスをかけている。
「特にだ」
「今更ってわけなんだね」
「向こうだって凄いじゃない」
　敵の方も話すのだった。
「外見だけじゃなくて中身も」
「もう何も考えてないのばかりだし」
　中身の方が大事だというのだ。まさに正論である。
「そんな連中ばかりだから」
「そうなのか。じゃあ猫でも何でもいいんだな」
「ああ、そうさ」
「外見はどうでもいいわ」
　こうジャンにも応えてだった。師匠達については誰も驚かないのだった。
「左様か。それはいいことじゃな」
「そうだな」
　マスターリーがマスターシャーフーの言葉に頷いている。
「人は外見ではない」
「それがわかっているということは大きい」
「まああれだよ。明るく楽しく」
「そうそう」
　マスターキンポーとマスターチェンも言う。