星河の覇皇
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第八十六部第三章 学園の理事長としてその三十
「ルネサンスの戦乱は多くの文化を生み出したというが」
「戦乱は文化を生むかというと」
「それも違う、江戸時代の日本を見ることだ」
「元禄、文政とですね」
「二度も庶民文化が花開いた」
「むしろ戦乱はですね」
「多くの犠牲を生むだけでなく文化もな」
今話しているそれもというのだ。
「破壊する」
「そのローマでもですね」
「多くの芸術品が失われたしな」
「だから戦乱を防ぐ為にもですね」
「強力な軍隊は必要でだ」
そしてというのだ。
「そのうえでだ」
「備えもですね」
「必要だ、ルネサンスのイタリアで無防備都市だから攻めるなと言ってもだ」
「誰も聞かないですね」
「チェーザレ=ボルジアなら無言で領土に組み込んで終わりだが」
イタリア統一を進めていたこの梟雄はというのだ、教皇の息子であり様々な謀略を駆使した人物でもあった。
「それが傭兵達それも餓えている者達ならだ」
「文字通りに」
「ローマの件は餓えた彼等の仕業だった」
神聖ローマ帝国皇帝が雇っていた、確かな司令官がいなくなり放浪しまともな補給もなく餓えていたのだ。
「だからその様な者達に無防備だの言ってもな」
「押し入られて」
「破壊と略奪の限りだ」
「それが待っていますね」
「そうなるのが関の山だった」
ルネサンス期のイタリアではだ。
「だからな」
「義統様としては」
「その様なことは言わない」
「備えをですね」
「整える」
実際にそうしている様にというのだ。
「そうする」
「左様ですね」
「そしてだ」
「連合を守りますね」
「市民も領土も国益もな」
その全てをというのだ。
「そしてそのうえでだ」
「交流となりますね」
「連合の中では他国軍は相手国の許可がないと入られない」
ただし中央政府軍は連合全体を移動出来る。
「絶対にな」
「それは鉄則ですね」
「これを破るとな」
「中央政府からも各国政府からも制裁を受けます」
「それもかなりのレベルのな」
「だからどの国もしないですね」
「それで連合は他国から攻められることはない」
連合の中ではというのだ。
「決してな」
「左様ですね」
「海賊はいるがな」
宇宙海賊はというのだ。
「彼等は、しかしな」
「海賊と戦争はまた違います」
「国家同士のそれはな」
「連合の中ではそれがないですね」
「どの国も軍隊は最低限でな」
その程度で収めてなのだ。
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