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政治家も色々

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第一章

                政治家も色々
 政治家についてだ、高校生の高柳一徹はクラスで言った、長方形の顔で小さな目に太い眉を持っていて色黒で黒髪をスポーツ刈りにしている。
「どいつもこいつも屑ばかりだろ」
「政治家はか」
「皆そうか」
「碌でもない奴ばかりか」
「そうに決まってるだろ」 
 断言さえして言うのだった。
「威張り散らして悪いことばかりしてな」
「権力振りかざして」
「それでか」
「碌でもないことばかりしている」
「自分のことしか考えないでな」
 そうした連中でとだ、口調にその考えが出ていた。
「国家とか地方とかな」
「そうしたところのことはか」
「一切考えてないか」
「そんな人達か」
「そうろ、だからな」
 高柳はそれでとクラスメイト達に話した。
「俺は政治家なんか誰も信じないさ」
「そうなんだな」
「お前は政治家嫌いか」
「それも大嫌いか」
「ああ、死ぬ程嫌いだよ」
 こう言って憚らなかった、兎角だ。 
 高校時代の彼は政治家が嫌いだった、だが。
 高校を卒業して大学生になった時に彼の叔父の星場正一郎彼が初老になった様な外見の彼がある日身内を集めてそのうえでこんなことを言った。
「俺市会議員の選挙に出るな」
「えっ、嘘だろ」
 高柳は叔父の言葉を聞いてすぐに眉を顰めさせた。
「政治家になるのかよ」
「ああ、実はな」
 叔父は甥に答えて話した。
「頼まれたんだ」
「誰にだよ」
「農家の人達にな」
「叔父さんも農家でか」
「色々話しているうちにな」
 農家の間でというのだ。
「市の産業として農業を守ってな」
「その利益をか」
「ああ、それで産業としてよくする為にな」
「叔父さん政治家になってか」
「そうした仕事して欲しいってな」
 その様にというのだ。
「言われてな」
「立候補するのかよ」
「そうだ、そして当選したらな」 
 彼はそれからのことも話した。
「しっかりとな」
「政治家、市会議員としてか」
「頑張るからな」
「叔父さんが政治家か」
 高柳は真面目で面倒見のいい叔父は好きだ、それでこう言った。
「ちょっとな」
「何だ?嫌か」
「政治家って碌でもない奴ばかりだろ」
「俺はそうした奴か?」
「いや、違うけれどな」
「ならいいな、じゃあ皆どう思う」
 叔父は今度は身内全員に聞いた、所謂親戚会議になったが皆彼の話を聞いて真面目な目的と選挙活動の話も聞いて問題ないと判断してだ。
 彼は選挙に出て市の農業関係者の指示を得て当選した、畑仕事は息子夫婦に主に任せる様になったがそちらの仕事も時折しつつだ。
 市会議員として働きはじめた、その仕事ぶりは。 
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