神々の復活
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第一章
神々の復活
メソポタミアの神々の世界でだ、この神界の神々は今大騒ぎになっていた、それで英雄神マルドゥク堂々とした顔立ちと体格の逞しい彼も言った。
「そんな筈がないが」
「アプスー神とティアマト神の復活は」
「それはですね」
「ある筈がないですね」
「それは」
「彼等は死んだ」
マルドゥクは自身の従神達に言い切った。
「確実にな」
「はい、確かに」
「まずアプスー神が殺されました」
「我々を殺そうとして」
「そのうえで」
「そうだ、そしてだ」
神々にさらに言った。
「ティアマト神はだ」
「他ならぬマルドゥク様がです」
「倒されています」
「そして世界を創造されています」
「ティアマト神の亡骸から」
「そうしたのだ」
間違いなくというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「復活されている筈がないですね」
「あの方々が」
「それはないですね」
「有り得ない」
またしても言い切った。
「そんなことは」
「ですがそれがです」
「そうした話が出ています」
「お二方がおられると」
「それも我らの神界に」
「ではだ」
それならとだ、マルドゥクは言った。彼の宮殿の玉座に座りつつ話した。
「私自身がだ」
「お二方が、ですね」
「実際におられるか確認されますね」
「そうされますね」
「そうする、では探そう」
その二柱の神々をというのだ、そしてだった。
マルドゥクは彼等の原初の二柱の神々を探すことにした、すると何とだった。
彼等は神々の世界の真ん中にいた、巨大な宮殿を設けそこにいた。マルドゥクはその宮殿を見て仰天した。
「何時の間に」
「この様な宮殿が出来たのか」
「気付けばここに建っていました」
「これまた妙なことです」
「不思議なことです」
「どういうことだ」
その声には明らかにいぶかしむものがあった。
「これは」
「わかりません」
「一体どういったことか」
「しかもです」
「多くの神々が出入りしています」
「わからない、だがここはだ」
マルドゥクは自分と共にいる従神達に言った。
「是非な」
「これよりですね」
「この宮殿に入り」
「話が本当か確かめますね」
「そうされますね」
「そうする、行くぞ」
右手に剣を持って前に進んだ、当然彼等が本当にいれば一戦交えるつもりだ。そして宮殿の正門のところに来ると。
大柄な痩せた老人とやはり大柄な豊満な肢体の老婆がいた、二人共マルドゥクや従神達と同じく古代メソポタミアの服を着ている。
彼等は笑顔でだ、マルドゥクに言った。
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