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おぢばにおかえり

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第八十話 教会の仕組みその三十

「新一君も」
「まあ薄々は」
「それに嫌いなものは嫌いだって言ってると」
 それならです。
「周りもよく思わないわよ」
「素直に言うべきと思いまして」
「それで言ってるの」
「はい」 
 そうだというのです。
「僕も」
「けれどそれがよ」
「よくないですか」
「正直はいいけれど」
 おみちでもそうされています、しっかりと。
「新一君は嫌いな場合でも言うから」
「そういうことは隠すことですね」
「人が気分が悪くなることは言わないの」
 こう注意しました。
「さもないと相手の人が気分悪くするでしょ」
「これまで嫌いな相手がどうなろうと平気でしたが」
「そういう考えじゃ駄目なの」
「嫌いでもですか」
「内心そうでも」
 新一君はお顔にも態度にも露骨に出しますが。
「それは隠してね」
「やっていくことですか」
「嫌うには理由があるでしょうけれど」
 新一君としてもです。
「全力で否定して露骨に言うことはね」
「駄目なんですね」
「そう、教会の中でもね」
「まあ教会の人手も合わない人いますね」
「絶対にね」
 このことを言いました。
「人と人のお付き合いだと」
「どうしてもですね」
「合わない人もいるわよ」 
 私はどうもそうした人には心当たりがないですが。子供のころから知っている方ばかりで家族みたいなものですし。 
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