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金木犀の許嫁

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第十五話 真田家の人その十三

「本当に」
「はい、お酒は好きでもです」
「飲み過ぎはですね」
「毒なので」
 身体にというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「飲み過ぎない様にです」
「毎日はですか」
「飲みません、ただ飲む量は」
 ワインを飲みつつ言うのだった。
「多いです」
「そうですか」
「この通りです」
「もうボトル二本空けてますね」
「一度に飲む量は多いです」
 そうだというのだ。
「そうです」
「そうみたいですね」
「ですから」
 それでというのだ。
「毎日はです」
「飲まない様にしていますか」
「一週間に三日はです」
 それだけはというのだ。
「最低でもです」
「飲まない日をもうけてますか」
「はい」
 そうだというのだ。
「左様です」
「飲まない日も大事ですよね」 
 白華もそれはと答えた。
「身体には」
「そうですよね」
「はい、お酒は美味しいですが」
 それでもとだ、幸雄に言うのだった。
「しかしです」
「それでもですね」
「毎日は本当にです」
「身体によくないですね」
「よく聞きます」
 白華はワインで真っ赤になっている顔でケーキを食べつつ応えた。
「そのことは」
「そうですね」
「そう考えますと」
「僕のしていることはいいことですね」
「健康の為に。健康はです」
 何といってもというのだ。
「第一です」
「そうです、ですから」
「休肝日もですね」
「もうけています」
「それは何よりですね」
「そして煙草も吸わず」
 そうしてというのだ。
「間違ってもシンナーも麻薬もです」
「されないですね」
「どちらも。麻薬なぞはです」
 それこそというのだ。
「解禁している国にいましても」
「されないですか」
「絶対に」
 強い言葉であった。
「しないです」
「そうですか」
「身体に悪いどころかです」
「心にもですよね」
「悪いです、長生きもです」
 麻薬をしてはというのだ。
「出来ないので」
「だからですか」
「絶対にしません」
 こう言うのだった。 
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