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金木犀の許嫁

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第十五話 真田家の人その八

「幸雄さんも」
「はい、これまでは別にです」
 幸雄も言ってきた。
「公の場でお会いしてきたので」
「だからですね」
「こうした態度でもです」  
 畏まった様なそれでもというのだ。
「気にならなかったです」
「そうですか」
「そう、僕は普段から誰にもです」
「敬語なんですね」
「そして態度もです」
 これもというのだ。
「誰にもです」
「礼儀正しいですか」
「その様にしています」
「そうですか」
「ですから」
 それでというのだ。
「お気になさらずに」
「わかりました」
 佐京がそれならと応えた。
「ではそういうことで」
「これからお願いします」
「はい」
 佐京は微笑んで応えた、そうしてだった。
 幸雄は猿飛家に入った、するとすぐに幸雄は四人に言った。
「これからお世話になりますので」
「だからですか」
「引っ越しと一緒に暮らすことをはじめるお祝いで」
 佐京に話すのだった。
「晩ご飯は僕が用意しました」
「何でしょうか」
「河豚です」
 佐京にこれだと答えた。
「注文しましたのであと少しで、です」
「うちに来ますか」
「もうお金は払っていますので」
 河豚のそれはというのだ。
「安心して下さい」
「そうですか」
「それとこちらも」
 懐から両手に持つ位の大きさの箱も出してきた。
「あります」
「それは」
「ケーキです」
 微笑んでの言葉だった。
「あとお酒も注文しまして」
「来ますか」
「河豚と一緒に」
 そうだというのだ。
「ワインですが」
「何から何まで」
「当然です」
 まさにというのだ。
「私をお迎えしてのパーティーですね」
「はい」  
 佐京はその通りだと答えた。
「そうです」
「そして私は今このお家で最年長で」
 今度は年齢のことを話した。
「それに働いていますので」
「お金を稼いでおられるので」
「こうしたことはです」
「されますか」
「それが当然のこととです」
 その様にというのだ。
「考えているので」
「いいですか」
「はい」
 こう佐京に答えた。
「宜しくお願いします」
「そうですか」
「はい、そして」
 幸雄はさらに話した。 
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