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偽マフティーとなってしまった。

作者:連邦士官
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14話

 飛翔した空、こちらの心とは大違いの晴天で、何処までも青くて、蒼くて、碧い。こんな空を飛ぶのは気持ちがいい。そして、空を飛ぶと今の自分の悩みや存在がちっぽけに感じて、ハサウェイもクスィーガンダムで飛んだときの気持ちはこんな感じだったのかと思い、苛立っていた神経がゆったりとしていく。

 しかし、まだ俺はこれからケネスとギギと連邦政府閣僚を護送して出来上がった高級な軟禁場所に行かなければならない。なんでこうなるんだ?ただ酒に酔って踊った結果、変態デラーズマニアに動画化をされてマスコミが取り上げて、ネットの晒し者として流行って、環境テロリストの副リーダーとハイジャックする羽目になって‥‥晴れやかな気持ちからげっそりとした感覚に包まれる。

 あのスタークジェガンと戦って、シャトルの中では出来るだけハサウェイとケネスの二人を怒らせないように気を使って、マフティーの清廉さや高潔さを演じる羽目になって、よくわからないマフティーについてもマフティー、マフティーと話をして意味がわからなくなっているのにギギには煽られるわ、よく喋る閣僚達は黙らせなきゃいけないわ。仲間は仲間で頭テロリストだったしな。

 無事にオエンベリに着いたら着いたでオエンベリ軍のボスは、この基地のお山の大将のテロリストで訳のわからない機体に乗ってて強いと思っているから、お前より強いことや経験があるとマウント取らなきゃ言うことを聞かないし、作戦を考える前提条件の情報網を持ってないから、こっちが何とか導かなきゃ共倒れになりそうだわ。
このままいっその事このギャプランで逃げるか?いや、今更逃げても遅いだろう。目立つ機体だからな。まぁキンバレーとの交渉さえ上手く行けば、後はマフティーをハサウェイに押し付けてサヨナラだ。

 そうしたのならば月面へと遠くに逃げよう。木星があるから地球は危険すぎる。それに今暮らしているこの地球より近未来的な宇宙の生活のほうが気になるしな。そうだ、サイドを旅行するのだっていい。このマフティー動乱さえ乗り越えれば火星ジオンぐらいまで近々では大した脅威はないからな。ブッホのロナがどうなるかは知らないが。

 「空か。」
モニターに映る空を宇宙に行ったら見納めかと見つめる。やはり、太陽が明る‥‥うん?おかしいな‥。待てよ、なんだあの黒いのは!?太陽にポツポツと黒い点が浮かび上がる。敵襲か!?やってくれるな、キンバレー!

 「不味いな。」
すぐさま通信をオンにして、基地に伝えようとするとミノフスキー濃度は戦闘空域のそれではない。

 「コールサイン、隕石から入電。」
太陽方面から謎の飛行体、あの大きさは‥‥あれは、ガウ!?ガウとファット・アンクルにミデアとミディアとセイバーフィッシュにデプ・ロッグの編隊!?なんで?大量にいる。ファット・アンクルだけ4機、ミデアだけでも3機。ジャブロー降下作戦か!?

 「太陽の方面‥‥ティモール海より所属不明の航空機の大部隊を‥‥。」
通信を繋いだままに固まった。敵の数を確認しようとモニターをよく見ると、待てよ!?ギガンが‥‥ギガンがジェットで大気圏内の空を飛んでいるぞ!?どういうことなんだ?あっちには、あれドラッツェじゃないか!?こっちも大気圏バージョン!?いつから俺の目がおかしくなったのか!?マフティー、マフティー、マフティーとマフティーを聞きすぎて頭がおかしくなって遂にジャック並みの知能になってしまったのか!?

 「こちらでは謎の部隊を確認、管制塔へ謎の部隊を確認!ジオンか連邦か判断がつかない。繰り返す、何者か不明。」
本当に何なのアイツら、あの編成!?よく見るとまだおかしいわ、後ろにまだ何かいるぞ!モニターの解析度を上げると様々な年代のSFS、初代ドダイもいる。ガッシャやジュアッグにアッグガイやゾゴックまでいる!あれは‥‥ジム寒冷地仕様!?めったに見ないジム・クゥエルや量産型ガンキャノン!?ゲルググイェーガー!?核を撃ちたいグラサンハゲでもいるのか!?

 『コールサイン隕石へ、コールサイン隕石へ入電、入電。彼らは大気圏内のマフティー活動に感銘を受けた各地の同志たちである。繰り返す、彼らは同志マフティーたちである。マフティーがもたらす、マフティーの光に賛同をした同志マフティーたちである。』
お前!?どう考えてもコイツらを受け入れたらロンド・ベルが来るわ!ジオン残党やカラーを見るにエゥーゴやらティターンズ残党だろ、いや、地球だからカラバか?なんでまだ残党とかがこんなにいるんだよ!エゥーゴやティターンズは素直に連邦に帰りなさいよ!

 「しかし、急に彼らの様な大所帯を受け入れて統率は大丈夫か?所詮、3万いるかいないかのオエンベリ軍はオエンベリ軍だぞ?」
ま、俺はオエンベリ軍サヨナラだからな。もうキンバレーとのアレコレや戦いが終わったら月面へといなくなるから関係はないが、キンバレーとの交渉中に暴発はするなよ。

 『コールサイン隕石へ、いえ、マフティー、あなたの副官だと言って聞かないマフティー・リベラからこの友軍合流の話を聞いてなかったんですか?その筋のサイトでリベラがオエンベリ軍の司令官にあのハイジャック演説をしたマフティー・エリンが就任したと報告して、それが各組織がいろんな地域で言ったので、結果的に全世界に宣言したから集まってるんですよ。』
知らないよ、今知ったよ。その筋のサイトってまず何?次はリベラの身勝手さだ。ふざけんなよアイツ!なんで、なんで毎回俺に一切の相談なしに好き勝手そんなことを出来るんだ!?いや待てよ。マフティー、マフティー適当に言っていたから勝手に「指揮官がしたいんだな、マフティー」だと思ったのか?だからってなんで、人の話を聞かずに‥‥人の話を聞いていたらテロリストになんかならないか。疲れた。

 どうせどんなに外堀を埋められたとしても、最終的にはこんなに組織が大きくなったら気になってハサウェイが調べに来るだろう。ハサウェイがアデレード襲撃をする前に接触できるはずだ。そうしたならマフティーをハサウェイに丸投げして俺は逃げてやる。マフティーはハサウェイであって俺は一般人なんだ。

 『マフティー、彼らの為に先導をしてください。士気が上がります。』
待ってほしい。リベラの件やドラッツェとギガンがジェットで空を飛んでるだけでお腹いっぱいなんだけどこれ以上情報を渡さないでくれよ。もう一回だけモニターを確認したらより訳がわからない。何故かアッグガイやアッグに旧ザクがドダイに乗ってるんですけど。それにガルバルディαと‥‥あれは何処からやって来たかわからないがギャンクリーガーもドダイで飛んでこっちに来ている。いくらなんでもジオン残党はジオン脅威のメカニズムすぎるだろ。

 待て、あのSFSに乗っているギャンやゲルググがマゼラトップ砲を持ってるぞ!?いや、どこにこんなに隠れてたんだよコイツら。地球連邦政府の監視能力はほぼ無かった?

 『喜んでください。マフティー、海岸からもザク・マリンタイプやアクアジムにフィッシュアイ、ユーコンなども到着をしたと連絡が届いています。』
おい、待て!オエンベリのダンスお遊びテロリスト(笑)だったのにそこまで戦力が集まれば、本格的で正統な地球連邦政府への反乱軍に昇格していくぞ!?やめてくれよ。

 「そんなに来ているならアデレード近郊でもわかるだろう。太平洋部隊であるキンバレーは彼らに対してなにかしていないのか?奴は無能ではあるが愚鈍ではあるまい。」
ほらお願いだ。キンバレー隊、彼らを迎撃していてくれ。キンバレー、お前が最後の連邦の頼みの綱だぞ!

 『確かに愚鈍ではないので我々マフティーも友軍マフティーも警戒をしましたが、義理堅くも我々との約束を守っているようです。キンバレーからしても我々はオエンベリから正規のマフティー軍に昇格したのが〜。』
そこからは全く耳には入らなかったが、言われて少し考えてみれば、最近、ハサウェイのクスィーガンダムにあんなにボッコボコにされたのに、上層部に自信満々に「マフティーを倒しに行くわ」とか言えないよな。ジェガン9機だし。

 『しかし、我々に対抗をして地球連邦政府議会がキンバレーにグスタフ・カールの増員やガルダ3機の使用を認めて、キンバレー隊の規模が大きくなるので、キンバレーは准将に昇格をするとか。』
いやいや、それってもはや地上空中打撃艦隊だろ。まだロンド・ベルのラー・カイラムやクラップが合流していないだけマシではあるが、かなり不味いな。

 「しかし人類の至宝なんて言われているガルダ級を、そうやすやすとマフティー軍の討伐とやらなんかに使ったりしてもいいのかね?」
マジで、今後ろに面白友軍達がいる。中には航空機だって確かにいるにはいるが、ガルダを持ち出すほどに大したMSもなにもない。こんなことなんかで出す必要は無いからやめてほしいぞ。

 『ですので、今まで言われてはいましたが尚の事、現政権は一年戦争以来の軍事政権だとか軍部主導による独裁だとか今の事しか考えられない未来を考えていない暇人だとか、大衆が政治に絶望したり考える余裕が無くなった後の出がらし議会などと各局で連日批判をされています。それにより、各地ではマフティーに参加者が続いています。』
流石にそんなに首相や軍人を責めるより、議員の奴らを責めたほうが良さそうだし、何より軍人や首相は被害者な気もするが、腐敗を生み出したのは結局連邦市民の無関心と首相の無難な上流階級への優遇政策だから自業自得か。

 『ダンスマフティーだけではなくサイド3マフティー軍が現れたらしく、マフティーによる現状の打開とマフティー性による全人類のニュータイプ化により人類を存続させると優性人類生存説と結びついて、新たなマフティー論としてネオ・マフティーを名乗って一部を占領しているとか。』
マフティーすら意味不明なのにネオ・マフティーってなんだよ。しかも、サイド3でネオって何がネオなんだ?不可能を可能にしながらメットが砕けるおっさんか?

 「しかし、これではマフティーは本当に道化だよ。」
本当に道化だよ。マフティーダンスを広められた辺りから意味がずっとずっとわからんわ。何で誤魔化す為になんか色々なことを単語をそれっぽく言ってそれが聞こえたらみんなが全員それに走るとか、頭マリア主義か頭バイク型戦艦か?正気の沙汰では無いが、そもそも正気だったらコロニー落とす訳が無かったな。

 『それだけ大佐を皆が求めているのです。』
大佐じゃないし、そもそも不名誉除隊だし。大佐に上げるなよ、大佐はケネスとブライトだけで十分だ。

 「大佐じゃなくて、大尉さ。大佐なんて大それたものでは無い。それにマフティーさ。マフティーはマフティーとしてマフティーの役目を果たし死に、その屍をマフティーが超えていく。実にマフティー性がある話だろ?」
マフティーとかまた言って誤魔化す。後ろのおもしろ部隊の連中とどうやったら話せるか極めて問題ではあるが、それよりも明日はギギとケネスと閣僚達を移動させねばならない。

 実際マフティーに集まる奴らなどはマフティーでそれっぽい文を作れば、マフティー!マフティー!とか納得する頭がいいのか悪いのかわからない連中だから、ギギよりはまだ安全だ。

 明日多分、また、ギギに絡まれるから論破しなければいけない。ニュータイプは分かり合える存在だというが、ニュータイプで分かり合えてる奴らのほうが少ない気がする。ブライトがニュータイプだったら、絶対にアムロ、カミーユ、ジュドーとかと仲良くできないぞ。下手に分かり合うからより憎しみが生まれるんじゃないか?よくわからんけどな。

オープンチャンネルに切り替える。
 「こちら、オエンベリのマフティー。集まってきてくれたマフティーに感謝の意を表し、エスコートをする。ガイドビーコンは出さないので気を付けるように。」
そして、無線を切るとため息をついた。ため息ぐらい出る環境だろう。あり得ないからな。

 なんで、天パなんだよ。どう考えたってグラサン風味だろ。アムロならもっとこう、なんというか無慈悲で感知する前にハメ殺して乗ってる機体の文句を言いながら、1つ2つ3つとばんばん撃墜しながら若いパイロットに「俺ができるならお前もできるはずだ」とやるパワハラ系なのに。目の前で本当にやってみせるから、反論も出来ずにキレさせる天才だぞ、アイツ。

 後の奴等をオエンベリ空港に下ろすと、疲れたので早めに寝ることにした。




 
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