スーパー戦隊超決戦
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第十二話 ドクターマンの影その二
「凄い人だからね」
「あっし等の司令官とか」
「叔父さんの上にいて」
「へい、好夫さんみたいに」
「そうなっていたかもね」
「だったら俺は引退かな」
伊賀崎父は笑って言った。
「そうなるかな」
「いや、それはな」
「困るわ」
子供達が即座に父に言ってきた。
「お父さんがいなかったら」
「俺達いつも助けてもらってるからな」
「そうか?俺はいなくてもいいんじゃないか」
「いや、叔父さんは絶対にいて欲しい」
加藤も切実な声で彼に言った。
「本当にな」
「叔父様がおられませんと」
百地の言葉も切実なものだった。
「私達は満足に戦えません」
「そうかな」
「ああ、絶対にな」
「私達やっていけないわよね」
また子供達が父に言った。
「ご飯とか色々ね」
「そりゃ六人いるけれどな」
「やっぱりね」
「父さんはいてくれないとな」
「あっしもそう思いやす」
タキガワも伊賀崎父に話した。
「若し旋風さんがいやせんと」
「どうにもならないよな」
「本当にね」
また兄妹で話した。
「サポートとかフォローとかね」
「父さんがしてくれてだからな」
「私達も戦えるからね」
「満足にな」
「俺そんなに役に立ってたんだ」
伊賀崎父は息子達に言われて神妙な顔になった、そうして腕を組んで彼等に対してこんなことを言ったのだった。
「何もって思ってたけれど」
「牙鬼軍団と戦っていた時からです」
百地が畏まって答えた。
「叔父様がおられなかったら」
「やっていけなかったんだ」
「私達は」
「そうなんだね」
「今も高知市のこと詳しいじゃないですか」
松尾も言ってきた。
「それで僕達案内してくれていますし」
「いや、叔父さんも観光楽しみたくて」
「それで、ですか」
「事前に調べただけだし」
こう言うのだった。
「別にね」
「何もですか」
また百地が応えた。
「凄くはないですか」
「頼りにもならないよ」
「やはりそう言われますか」
「事実だしね」
「言うなら俺達の司令ですけれど」
加藤は伊賀崎父に真顔で話した。
「司令がいなくてです」
「戦隊は動けないんだね」
「司令みたいな人がいない戦隊は」
それはというと。
「ちょっといないんじゃないですか?」
「そういえばそうだね」
伊賀崎父もそれはと応えた。
「どのチームもそうした人いるね」
「そうですね」
「ああ、マーベラス君みたいに戦う人もいれば」
「そうでない人もいますね」
「ヤツデさんみたいな人の場合もあるね」
彼女のこともだ、伊賀崎父は思い出して話した。
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