八条学園騒動記
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第七百四十七話 サチェル=ペイジその八
「この人は間違いない」
「与太話でもない」
「そうなのね、この人も凄いけれど」
アンはあらためて話した。
「サチェル=ペイジさんは話半分にしても」
「有り得ないか」
「そう思うわ」
フランツに対して答えた。
「千試合登板でもね」
「まずないな」
「昔なら酷使も酷使でしょ」
「二十年五十試合投げるなんてこともな」
フランツは二十一世紀前半の基準を話した。
「有り得なかった」
「出来たらその人も超人よね」
「肩や肘に負担がかかるしな」
ピッチャーの生命線であるその部分にというのだ。
「それに衰えるしな」
「人はね」
「そうなるからな」
だからだというのだ。
「本当にな」
「だから千試合登板でも」
「当時でもな」
フランツは今度は二十世紀前半まさにサチェル=ペイジの全盛期の頃の基準からアンに話をしたのだった。
「殆どなかったと思う」
「メジャーでもそうで」
「黒人リーグでもな」
サチェル=ペイジが所属していたこのリーグでもというのだ。
「流石にな」
「そこで二五〇〇試合ね」
「そして二〇〇〇勝利だ」
「物凄いことではあるけれど」
「しかしな」
それでもというのだ。
「俺も話半分でもな」
「凄いと思うわね」
「そうだな」
「ええ、超人よ」
話半分にしてもというのだ。
「立派なね」
「そうだな」
「それでそんなピッチャーチームにいたら」
「優勝するな」
「確実にね」
アンは断言した。
「だって勝率八割でしょ」
「奪三振率も凄いし完投は普通だ」
「それならね」
そうしたピッチャーならというのだ。
「もうね」
「チームにいたら優勝するな」
「中六日で投げてもらっても」
そうしてもというのだ。
「毎日じゃなくてもね」
「優勝出来るな」
「勝率八割って凄いわよ」
ピッチャーの勝率としてというのだ。
「もうね」
「中四日ならな」
タムタムはそれだけ投げるならとアンに話した。
「尚更だな」
「それも中四日でも平気よね」
「毎日でも投げていたからな」
「ダブルヘッダーも普通で」
「先発完投でな」
ただ投げるだけでなくというのだ。
「そうだったからな」
「それじゃあね」
「もうな」
「優勝間違いなしね」
「中四日と言ったが六日でもな」
「そうよね」
「そんなピッチャーが欲しいとな」
タムタムは心から言った。
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