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神々の塔

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第六十四話 終わらないものはないその八

「作っています」
「そやねんな」
「そして神霊の方々にもです」
 自分が仕えている者達にもというのだ。
「召し上がって頂いています」
「そうなんやな」
「勿論海の幸もです」
 こちらの食材もというのだ。
「多いので」
「イタリア領とかスペイン料理には」
「今はお出ししていませんが」
 一行にというのだ。
「しかしです」
「それでもやな」
「海の幸もギリシアにはです」
「欠かせへんな」
「蛸も」
 この生きものもというのだ。
「そうであるので」
「それでやな」
「よく学ばせてもらっています」
「それで作ってか」
「そしてです」
「神霊さん達にもやな」
「召し上がって頂いています」
 料理人は微笑んで話した。
「あの方々もお食事は摂られますので」
「人や他の生きものと同じやな」
「衣食住はです」
 神霊達もというのだ。
「必要です」
「そやな」
「そういえば」
 ここでだ、綾乃はふと気付いた様にして言った。
「神霊さん達お風呂も入るけど」
「それがどないしたんや?」
 芥川は赤ワインを飲む綾乃に応えた、見れば一行のワインはストレートでよく冷えている。古代ギリシアでは冷えておらず水等で割って飲むがそこも違っていた。
「一体」
「やっぱり汗かいて」
「ああ、垢とかフケも出て」
「汚れて」
「清める必要があるからな」
「そうしてるんやね」
「そやな」
 芥川もそれはと応えた。
「そこはな」
「そういうことやね」
「それでおトイレもな」
「するやろね」
「そやな」
「それが何か」 
 料理人は神霊達がトイレを使用するという話を聞いて何でもないといった調子で綾乃達に応えてさらに言った。
「私先日おトイレでヘラクレス様とお会いしましたが」
「そやねんな」
「特に何もです」 
 これといってというのだ。
「思いませんでした」
「普通か」
「神界では」
 それぞれのとだ、芥川に答えた。
「何もありません」
「そやねんな」
「考えたら身体の構造が同じやし」
 綾乃はそれでと応えた。 
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