ドリトル先生と不思議な自衛官
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第十一幕その四
「そうなのですね」
「はい、僕はです」
決してとです、先生は堀与さんに答えました。
「前世を信じていますので」
「だからですか」
「輪廻転生も」
「キリスト教徒ですが」
それでもというのです。
「僕はそうです、仏教の世界ではです」
「転生があるということですね」
「キリスト教の世界ではなく」
「何か意味がどうも」
「神の世界は一つではないということです」
先生は笑ってお話しました。
「キリスト教の神の世界もあれば」
「仏教は仏ですので」
「仏の世界もあります、無論神通の神々の世界もあり」
そうでもあってというのです。
「他の様々な信仰の神々の世界がです」
「存在していますか」
「僕は考えています」
こう前置きしてです、先生は堀与さんにあらためてお話しました。
「神々の世界は多くあり人はその信じる神の世界の中で、です」
「生きていますか」
「はい」
そうだというのです。
「そして死んでからはです」
「それぞれの世界に行くのですね」
「キリスト教ならです」
この宗教を信じていると、というのです。
「死後はキリスト教の天国か地獄か煉獄にです」
「行くのですね」
「はい、そして仏教徒ならです」
「仏教の世界で生まれ変わっていく」
「六つの世界で」
「六道ですね」
「そうなるかと。ただ日本では複数の宗教の信仰は普通ですね」
先生はこのこともお話しました。
「神仏を敬えと言って」
「神道と仏教ですね」
「そうですから」
だからだというのです。
「魂は二つあるかも知れないです」
「それぞれの信仰に行きますか」
「はい」
そうだというのです。
「そうではないでしょうか」
「深いお考えですね」
堀与さんは先生のお話に唸って応えました。
「それはまた」
「そう言って頂けますか」
「はい、それで私もですか」
「東郷さんの生まれ変わりでもです」
そうであってもというのです。
「そうしたこともあるとです」
「仏教ではそうであるので」
「当然とです」
その様にというのです。
「受け入れています」
「そうですか」
「はい、そして」
それにというのです。
「堀与さんの生き方は間違っていません、素晴らしい生き方の一つとです」
「認めてくれますか」
「国防は素晴らしいお仕事です」
それに携わることはというのです。
「国家と国民を守ることは」
「私もそう信じています」
「戦前の日本軍も今の自衛隊もそれは同じです」
「その通りですね」
「それを否定することは」
国防をというのです。
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