金木犀の許嫁
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第十一話 忍術は暴力ではないその十三
「幾ら何でもね」
「酷過ぎるわね」
「竹刀で百発よね」
「動きが悪いって言ってね」
「それだけでなの」
「機嫌いいと何も言わなかったのが」
それがというのだ。
「機嫌悪いとよ」
「そんな暴力振るうのね」
「そうした先生だったのよ」
「もう無茶苦茶過ぎて」
真っ青になりこれ以上はないまでに引いた顔で述べた。
「言うことないわ」
「そうよね」
「剣道の防具着けていても」
「痛いでしょ」
「衝撃とか来るわよね」
殴られた時のそれがとだ、夜空は剣道は未経験で何も知らないが想像してみてそのうえで真昼に応えた。
「そうよね」
「だから痛いわよ、しかも止めに壁に叩き付ける形で突きよ」
「ヤクザ屋さんみたいな暴力ね」
「こんな人近くにいるとそれだけで嫌でしょ」
「何するかわからないからね」
「そんな暴力振るう人が先生だとね」
そうであるならというのだ。
「皆迷惑するし代わりにいい人に来てもらうとね」
「その場所がよくなるから」
「だからね」
「クビにする様にするのね」
「通報でね」
「それが正しい在り方ね」
「世の中のね、夜空ちゃんも覚えておいてね」
こう妹に言うのだった。
「そうした人は通報してね」
「やっつけることね」
「それが世の為であって」
そうしてというのだ。
「人の為よ」
「いいことね」
「だからそうしてね」
「通報ね」
「暴力には法律よ」
それで向かうべきだというのだ、こうした話を夕食の時にしたのだった。そしてその食事の後で白華は真昼と一緒に飲んで話した。
「すっかり夕食の時はお話の時になりましたね」
「そうよね」
真昼は焼酎をロックで飲みつつ応えた。
「一緒に住んでから」
「うち夕食の時は結構静かだったので」
白華は杏酒を飲みつつ話した、彼女もロックである。
「嬉しいです」
「そうなのね」
「ですからこれからも」
「晩ご飯の時は」
「お話しましょう」
「ええ、一緒にね」
真昼も笑顔で応えた、そうしてだった。
今は共に飲んで食べていった、その時も話したが今の話は野球の話だった。阪神が今シーズン巨人に無敗しかも今日の試合は二十対零で勝ったことを二人で喜んで話したのだった。
第十一話 完
2024・1・23
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