ハッピークローバー
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第百二十三話 足が速いとその十四
「俺は思わないけれどな」
「これが凄いのよ」
別にと言った弟に真顔で返した。
「女の子の体臭はね」
「そんなにか」
「ええ、女子更衣室の前なんてね」
「匂うのかよ」
「匂うわよ」
実際にというのだ。
「本当にね」
「そうなんだな」
「いい匂いすると思う?」
弟に真面目な顔で尋ねた。
「女の子って」
「ああ」
弟はその通りだと答えた。
「そう聞いてるしな」
「それがよ」
その実はとだ、かな恵は言うのだった。
「違ってね」
「匂うのかよ」
「それがきついのよ」
そうだというのだ。
「かなりね」
「そうなんだな」
「だからね」
それでというのだ。
「女の子は念入りに身体を洗って」
「歯も磨くのかよ」
「そうしないと駄目なのよ、汚れやすいしね」
「汚れるのは男もだろ」
「何言ってるの、色々あるのよ」
生理のことだがそれは敢えて言わなかった。
「これがね」
「それで汚れやすいのかよ」
「そのこともあってね」
「いつも奇麗にしないと駄目か」
「まさかあんた」
弟をじっと見て問うた。
「女の子は何もしなくても奇麗とか」
「それも違うんだな」
「お風呂入って身体と髪の毛洗って」
そうしてというのだ。
「歯を磨かないとよ」
「汚くなるか」
「あっという間にね」
「男よりもすぐにか」
「それで匂いもよ」
こちらもというのだ。
「凄いのよ」
「何か姉ちゃんが言うと説得力あるな」
「私が?」
「いや、姉ちゃんクラスで人気があるんだよ」
明男のクラスでというのだ。
「美人で胸が大きいってな」
「そうなの」
「それでそのままで奇麗とかいい匂いしそうとかな」
「だからそれはないから」
「そうだよな、俺は何とも思わないけれどな」
かな恵みを見てもだ。
「けれどな」
「あんたのクラスメイトの子達がそう言うから」
「だからな」
「私が言うと説得力あるのね」
「しっかりお風呂入って歯も磨いてるしな」
このこともあってというのだ。
「説得力あるな」
「そうなのね」
「ああ、けれど匂いするか」
「本当に凄いわよ」
「更衣室とかか」
「おトイレもね、お風呂屋さんでもね」
こちらでもというのだ。
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