仮面ライダーダブル 最高のパートナー
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第十九章
警戒しながら屋敷の中を進んでいく。そして辿り着いた場所は。
園咲家の面々が食事に使っていたあの大広間だ。そこにも今は誰もいない。あの巨大なテーブルに白いテーブルかけがかけられている。
その誰もいない部屋に入るとだった。不意に照井が足を止めて二人に言った。
「御前達は先に行け」
「御前の相手がここにいるか」
「そういうことだね」
「そうだ。出て来い」
照井が言うとだった。前にだ。
あの女が来た。イナゴの女がだ。
テーブルを挟んで向かい側にだ。女が立っていたのである。そのうえでだ。女は照井を見据えてこう言ってきた。
「じゃあ楽しむわよ」
「そうさせてもらおう」
照井も女に応える。二人はテーブルを挟んで対峙する。
しかし女はだ。左とフィリップに顔を向けた。そうしてこう言うのだった。
「待て」
「俺達と戦うつもりか」
「まさかと思うけれど」
「戦うことはしないわ」
それは否定する女だった。だがまだ二人に対して言うのであった。
「それでもね」
「それでもか」
「何かあるのは間違いないね」
「プレゼントよ」
こう言ってだ。二人にそれぞれだ。あるものを投げた。
二人がそれぞれ左手、右手で受けたそれはだ。金色のガイアメモリであった。
そのガイアメモリを手の中に見ながらだ。二人は女に対して問うた。
「何だ、これは」
「僕達にドーパメントになれというんじゃないだろうね」
「安心するといいわ。それはないわ」
女は真剣な顔でだ。それは否定した。
「贈り物よ。神からのね」
「神、か」
「あの神だね」
神と聞いてだ。二人はその神が誰なのかすぐに察した。
そしてそのうえでだ。女に対してそれぞれ言うのであった。
「これを使って戦えというんだな」
「そしてそれを観て楽しみたいと」
「そういうことよ。それでどうするのかしら」
二人の決断を問う言葉だった。
「受けるのかしら。それとも」
「そうだな。ここはな」
「受けさせてもらおうかな」
二人が選んだのはだ。そちらであった。
「その神が何を観たいのかおおよそ察しはついている」
「それなら僕達も」
「受けるというのね」
「そうだ、見せてやる」
「僕達の、人間の戦いもね」
「俺もだ」
二人だけでなくだ。照井も言ってきた。
「それを見せよう」
「貴方も仮面ライダーになるのね」
「その通りだ。行くぞ」
「ええ、いいわ」
女もだ。照井のその言葉を受けてだ。
そのうえでガイアメモリを出す。
照井もだった。赤いあのメモリを出した。
「アクセル」
「変っ身!」
右手にメモリをかざしてだ。それを一回転させる。
腰のそのハンドルを思われるベルトに刺す。それでまずは赤いライダーになった。
それを見てだ。女もメモリを己の身体に入れてだ。ドーパメントになった。
「その赤い姿では面白くないわね」
「青だというのだな」
「ええ。それで来たら面白くなるわね」
ドーパメントの姿での言葉だった。
「言っておくけれど私はあの男とは違うわ」
「そうだな。井坂とはな」
「それも見せてあげるわ」
「俺もだ」
照井はだ。今言った。
「全て・・・・・・振り切るぜ!」
「トライアル」
「スタートアップ!」
電子音の後でだ。アクセルが赤から黄色、そして青になった。点滅する音の後でだ。その青い姿になって女と対峙してであった。
「前のトライアルとはまた違う」
「余計になったというのね」
「仮面ライダーはベルトの力でなるものじゃない」
アクセルになり多くの戦いを経てだ。そのことがわかったのである。
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