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ハッピークローバー

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第百二十三話 足が速いとその八

「外国にはね」
「まだあるんだよ」
「そうよね」
「それでな」
 鳴海はかな恵にさらに話した。
「結構死んでるからな」
「日本以外の殆どの国で」
「それでだよ」
「あの蝙蝠も怖い話ね」
「ああ、けれどな」
 鳴海はかな恵にあらためて話した、もう暗がりの中の飛ぶものは見えない。
「日本にはいないからな」
「虫とか食べる蝙蝠よね」
「それで沖縄のオオコウモリもな」
 こちらの蝙蝠の話もした。
「大人しいからな」
「果物食べるだけで」
「だからな」
「大人しくてね」
「無害だよ」
「そうよね」
「蝙蝠が怖いっていうのはな」
 このイメージはというのだ。
「チスイコウモリだけだよ」
「よく吸血鬼の使い魔になってるけれどね」
「欧州じゃな」
「悪魔とかね」
「ゲームの敵でも多いしな」
「結構出るのね」
「ああ、けれどな」
 それでもというのだ。
「蝙蝠はな」
「怖くないのね」
「危険でもないよ」 
 チスイコウモリ以外はというのだ。
「別に生で食わないしな」
「蝙蝠食べられるの?」
「中国とかじゃ食う人いるらしいな」
 ただし少数派である、奇食はあくまで奇食でありポピュラーなものでは決してないということである。
「そうした人もいるらしいな」
「そうなの」
「どんな味か知らないけれどな」
「美味しいのかしら」 
 かな恵は蝙蝠の外見を思い出しつつ言った。
「どうかしらね」
「だから知らないけれどな、それでも食う人はな」
「いて」
「それで生で食わないとな」
 そうでない限りはというのだ。
「いいだろ」
「ちゃんと火を通したらいいのね」
「そうしたら寄生虫も病原菌も死ぬからな」 
 熱で殺されてだ。
「いいだろ」
「そうなのね」
「生で食ったらな」
「論外よ、野生動物は特にね」
 かな恵は料理部の部員として言った。
「ちゃんとね」
「火を通さないと食ったら駄目よな」
「よくね、さもないとね」
「寄生虫とか感染症になるよな」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「そこはね」
「注意しないとな」
「ええ、それで蝙蝠が怖くないことは」
 かな恵はそちらに話を戻した。 
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