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夢幻水滸伝

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第三百四十一話 三州を掌握しその十二

「絶対にや」
「怠らへんですね」
「劣勢を挽回するにはや」
「奇襲によってですね」
「敵に大きな一撃を与えてな」
「打撃を与え戦の流れも掴む」
「そうすることがあるさかいな」
 戦にはとだ、トウェインは冷静な顔と声で答えた。
「それでや」
「周辺の警戒にですね」
「そして偵察はな」
 敵軍へのそれはというのだ。
「怠らへん」
「絶対にですね」
「そや、そしてや」
「攻めていきますね」
「そや」
 そうするというのだ。
「これからはな、このセントルイスにもな」
「やはりいますか」
「ああ、敵のスパイがな」 
 そうした者達がというのだ。
「敵もこっちの状況を知りたくてな」
「それで、ですね」
「スパイを送り込んでるわ」
「ほなです」
 ここでだ、ミニーはトウェインに提案した。彼がスパイの話をしたのでそれを受けてのことである。
「偽の情報を流しますか」
「そうして敵を攪乱させるか」
「そうしますか」
「ああ、ええな」
 その話を聞いてだ、トウェインも笑顔で頷いた。
「それもまた戦や」
「そうですね」
「敵を乱すのもな」
 偽の情報を流してというのだ。
「そのうちの一つや」
「そうですね」
「ほなや」 
 ミニーに笑ったまま話した。
「この度はな」
「偽の情報を流しますか」
「そうするわ」
「そうしたことならです」
 ミニーも笑って応えた。
「私は得意です」
「幻術師だけにやな」
「幻術は敵を惑わすものです」
「目で惑わしてな」
「そこからさらにです」
「耳でも惑わすな」
「はい、もっと言えば五感の全てを」
 目や耳だけでなくというのだ。
「惑わせるものです」
「ほなやな」
「ここはです」
「敵を惑わしもするか」
「そうしましょう」
「ほなな」
「そちらを仕掛けていきます」
 こうした話もした、そしてトウェインとミニーは六十万の大軍を集結させ彼等の武器や兵器や糧食を集めさせると共にだった。
 偽の情報や多くのダミーの兵器や実は何も入っていないが何かが入っていると思われる箱を出してだった。
 火薬やガソリンの匂いをこれでもかと多く出させ軍の規模も実際より多かったり小さかったり噂を出させてだった。
 敵のスパイ達に偽の情報を与えていった、すると。
「敵はかなりな」
「惑わされていますね」
「そうなってるな」
 トウェインはミニーに共に食事を摂りつつ話した。
「ここは」
「そうですね」
「それでや」
 バイソンのステーキ、一キロはあるそれを食べつつ言った。見ればミニーも同じステーキを食べている。
「その分や」
「敵の動きが混乱していますね」
「これはええ、ほなこれからもな」
「偽の情報を流していきますね」
「ダミーも使ってな」
「惑わしていきますね」
「そしてな」
 そうしていきというのだ。
「敵の動きをおかしくてさせて」
「そこを衝いていきますね」
「そうするで、あと少しでや」 
 ミディアムのそのステーキをフォークとナイフで食べつつ話した、野生の生きものなのでよく火を通している。 
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