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星河の覇皇

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第八十六部第二章 教育改革その八

「聞く者もいる、しかしどういった知識人かな」
「把握してですね」
「そして考えることだ」
 このことが大事だというのだ。
「だからな」
「知識人もですね」
「それぞれだ、君もわかっているだろう」
「話に出しましたが」
 それでもという返事だった。
「そのことは」
「ならいい、知識人が言っていてもな」
「鵜呑みはよくないですね」
「そういうことだ、自分で調べてな」
「自分で考える」
「そうすべきだ、そしてそれがだ」
 自分で考えることがというのだ。
「連合だ」
「常に考える、ですね」
「自分でな、だがエウロパは違う」
「あの教育改革にしても」
「上意下達のだ」
 そうしたというのだ。
「確かに優れた能力を与えるが」
「考えることはですね」
「させない、余計なことを考えさせない」
「そうした教育ですね」
「私はそう思う」
「だからですね」
「そうだ」
 それ故にというのだ。
「だから私は今言うのは」
「エウロパのあの教育改革は連合には合わない」
「あの国のそれはだ」
 まさにというのだ。
「絶対にだ」
「連合には合わないですね」
「余計なことを考えるな、ではない」
「常にですね」
「自分達のことを考えてだ」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「自分で成長していくことですね」
「知的生命体は考える力があり」
 そしてというのだ。
「人間はだ」
「その中でも特にですね」
「考える力がある」
「そうであるからですね」
「自分で考えてだ」
「そして動くべきですね、そして知識人ならば」
 上司はさらに言った。
「尚更ですね」
「本来はな、しかし知識人もまた人間でだ」
「間違いを犯しますね」
「よくある話だ、知識人は新しいものに飛びついてだ」
 新たな制度なり思想なりにだ、これもまた知識人の特徴の一つであると言えるだろうか。最も新しいものに真っ先に影響されるということだ。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「その新しいものをだ」
「盛んに喧伝しますね」
「影響されてな」
「そうなることがですね」
「問題だ、しかしだ」
「その新しいものの内容については」
 それはというと。
「詳しく吟味していない」
「ただ新しいものを正しいと思ってな」
「それでは、ただ新しいものでも」
 部下も今ではわかった顔になっている、自分の軽挙を理解してそれでそのことを反省して言っているのだ。 
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