親が希望する学部よりも
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第二章
「第一志望はね」
「法学部なの」
「あそこか」
「駄目かしら」
「いや、あそこの法学部有名だしね」
「進路も引く手あまただしな」
両親は反対する素振りなく答えた。
「けれどな」
「あそこ文学部より偏差値高いけれど」
「大丈夫か?」
「合格出来るか?」
「合格出来る様に頑張るわ」
これが正美の返事だった。
「だからね」
「そう、あんたがそう言うならね」
「俺達は頑張れとしか言えないけれどな」
「文学部より偏差値高いし」
「大丈夫か?」
両親は合格出来るか心配だった、だが。
正美は受験勉強を頑張った、そうしてだった。
無事に市立大学の法学部に合格した、それで両親に満面の笑顔で報告したがその娘に対してであった。
両親は驚きを隠せない顔でだ、彼女に言った。
「いや、まさかね」
「法学部に合格するなんてな」
「あそこの法学部偏差値高いのに」
「文学部よりもな」
「文学部に行けたらって嬉しかったけれど」
「もっと難しいところに合格するなんてな」
「私法律の世界に行きたいから」
それでとだ、正美は両親に話した。
「それでなの」
「法学部ね」
「そちらにしたんだな」
「そうなの、それで合格したから」
自分の希望通りというのだ。
「よかったわ」
「そうね、努力の介があったわね」
「毎日本当にかなり勉強したからな」
「それじゃあね」
「大学でも頑張るんだぞ」
「そうするわね」
両親に満面の笑顔で応えた、そうしてだった。
一家で合格祝いに寿司を食べてそのうえで大学に入った、そこでも勉学に励み弁護士になった。そして今も頑張っているのだった。
親が希望する学部よりも 完
2023・3・24
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