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おぢばにおかえり

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第八十話 教会の仕組みその七

「おみちも」
「そうですよね、ただ」
「ただ?」
「そうした組織があるって知らなかったです」
 こうも言いました。
「高校に入るまで」
「高校に入るとおみちに触れたからなのね」
「はい、本格的に」
「そうよね、私は気付いたらね」
 そうした感じで、です。
「わかってたけれどね」
「教会におられたからですね」
「教会で生まれ育つと」
 そうするとです。
「そうしたこともね」
「わかりますね」
「ええ、自然とね」
 その中で生きているからです。
「そうなるわ」
「おみちの他のことでもですね」 
 新一君は私にこうも言ってきました。
「そうですね」
「他のこと?」
「はい、てをどりとか」
「ああ、あれね」
「座りづとめと」
 こちらは毎朝登校して参拝させてもらう時にさせてもらいます、天理高校の特徴の一つと言えます。
「よろづよ八首と十二下りね」
「あれ覚えきれてないです」 
 新一君は困ったお顔で言ってきました。
「どうも」
「それおみちの家にいない子皆言うのよね」
「そうですよね」
「慣れてないとね」 
 もう子供の頃からです。
「やっぱりね」
「難しいですよ」
「そうよね」
「あれはおみち独特ですね」
「ええ、それで月並祭とかあったら」
 本部では朝夕のおつとめの時です。
「必ずね」
「座りづとめからですね」
「十二下りまでね」
 それこそ最後まで、です。
「踊るのよ」
「そうしていますね」
「さもないとね」
 それこそです。
 
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