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犬は酒嫌い

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第二章

「アルコール駄目だったな」
「ちょっと飲んだだけでね」
「命にか関わるよな」
「だからね」 
 その為にというのだ。
「ふわりもね」
「近寄らないんだな」
「お酒の匂いがきつくても」
 飲んでもというのだ。
「近寄らないでしょ」
「そうだよな」
「犬はね」
 この生きものはというのだ。
「本当にね」
「酒は駄目なんだな」
「人間と違うから」
 身体の仕組みがというのだ。
「それでよ」
「そういうことだな」
「そう、だからね」 
「酒飲んでるとふわりは来ないことはか」
「近寄らないこともね」
「わかっておくことか」
「そうよ、ふわりと遊びたいなら」
 それならというのだ。
「その時はね」
「飲まないことだな」
「そうしなさい」
「そうするな」 
 洋介もそれならと頷いた、そうしてだった。
 その日は飲み終えてもうふわりに近寄らなかった、当然ふわりもだった。だが翌朝起きてもう酒が抜けるとだった。
「ワンワン」
「お散歩に行こうって言ってるわよ」
「ああ、わかってるよ」
 洋介は母に応えた。
「それじゃあな」
「お散歩連れて行ってね」
「そうするな、じゃあふわり行こうか」
「ワンッ」 
 ふわりは目をキラキラとさせて応えた、もう自分から洋介に近寄っていた。そのうえで彼と一緒に散歩に出たのだった。


犬は酒嫌い   完


                     2024・3・23 
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