小者のウェイター
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第一章
小者のウェイター
銀座の有名な高級レストランにだ。
会社を経営している小林敏治は部下達と共に行った、だが。
「予約取っていたんですよね」
「そうですよね」
「うん、けれどね」
小林は部下達に難しい顔で応えた、今彼等は一流ホテルの玄関の様な見事な店の入り口にいる。仕事帰りなので皆ラフな格好だ。
「まだね」
「案内されないですね」
「順番待ちになっていますね」
「こうなったら」
皺がややある長方形の整った顔で言った、黒髪をオールバックにしていて長身でジムで鍛えられた整った身体つきをしている、その外見で言うのだった。
「お店にね」
「確認を取りますか」
「そうしますか」
「そうするよ」
こう言ってだった。
小林は自分のスマートフォンを出して店に確認を取った、すると黒髪で中背で痩せた実に貧相で卑しい小さな目が目立ついやらしい笑みを浮かべた中年男が出て来て言って来た。
「お店が混んでいまして」
「予約を取ってるんだけれど」
「ああ、そうなんですね」
小林に如何にも馬鹿にした感じで応えた。
「じゃあ待っていて下さい」
「待つって」
「確認を取りますから」
こう言ってだった。
店の者は一旦店の中に戻った、これで通してもらえると思っていると。
「十分経っていますけれど」
「まだ来ないですね」
「あの店員またいますけれど」
「待ってる人案内して」
「こっちには来ないですね」
「明らかにおかしいね」
小林も確信して言った。
「これは」
「もう一回聞いてみます?」
「予約取ってるって」
「そのことを」
「そうしよう」
丁度その店員が目の前にいるので声をかけると無視された、それでだ。
小林は彼の傍に来て尋ねると馬鹿にしきった顔で言われた。
「あんた達ノーネクタイじゃないか」
「敬語も使わないのだ?」
「何だこの店員」
「うちは高級レストランなんだよ」
自分の無礼に怒る小林の部下達にふんぞり返って言った。
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