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文系と理系

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第一章

                文系と理系
 池田美加子の得意科目は英語と現国、それに古典である。黒い髪の毛を肩の長さで揃えていてきりっとした顔立ちの一六二程の背のスタイルのいい少女である。
 そして隣の席の桑田蛍華は茶色がかった長い髪の毛で穏やかな顔立ちで一五八位の背で胸が大きい。彼女の得意科目は数学と物理である。
 二人はそれぞれの得意科目がわかっていてだ、お互いに言うのだった。
「私数学わからないのよね」
「私古典ちんぷんかんぷんよ」
「どうして数学わかるのよ」
「あんたも古典よくわかるわね」
 お互いに言い合う、二人共得意科目では確かにクラスでトップだ。
 だが不得意科目では赤点すれすれで苦労していた、それで言うのだった。
「私大学文系にするわ」
「私は理系よ」
「それ以外考えられないわ」
「お互いにそうよね」 
 こんなことを話していた、そんな二人にだ。
 学校のクイズ部、二人が所属しているその部活で話が出た。
「私達二人でなの」
「県のクイズ大会に出るの」
「そうしてくれるか?」 
 部長の早見俊哉に部室で言われた。
「今回な」
「いいけれど、ただね」
「私達不得意があるわよ」
 同級生の部長に言った。
「私は文系駄目で」
「私は理系がね」
「それでもいいのね」
「大会に出ても」
「いや、二人共不得意があっても」
 部長はそれでもと答えた。
「得意もあるね」
「私は文系ね」
「それで私は理系ね」
「それぞれの長所を」
 それをというのだ。
「前面に出して」
「大会に出ろっていうのね」
「二人で」
「二人が一緒なら」
 それならというのだ。
「大丈夫だよ」
「つまり文系のクイズが私が出て」
 美加子が応えた。
「それで答えて」
「私は理系ね」
 蛍華も言った。
「そっちを答えるのね」
「そうしてくれたら」
 部長は二人に話した。
「いけるよ、もう優勝だってね」
「目指せる?」
「県の大会の」
「ちなみに僕は一人の方に出て」
 そちらの大会にというのだ。
「それでね」
「答えるのね」
「そうするのね」
「そうするよ」
「あんた成績学年トップでね」
「特撮やアニメにも詳しいしね」
 二人で部長に応えた。
「それで一人の方に出るのね」
「優勝も目指すかしら」
「そうするよ、じゃあ二人はそれで頼むよ」 
 こう二人に言った、そしてだった。 
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