ハッピークローバー
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第百二十話 客家その十七
「人間というか」
「タチの悪い猛獣?」
「お猿さんみたいなね」
そうしたというのだ。
「そんなのじゃないかしらね」
「そう言われるとね、あの人達ってね」
富美子も眉を曇らせて答えた。
「そう思えるわね」
「そうでしょ」
「どう見ても沖縄のこと何も興味ないしね」
「興味ないと知れないでしょ」
「ええ、人間ああなったらね」
富美子はこうも言った。
「人間じゃなくなるかもね」
「ああしたことに一秒でも時間使うよりでしょ」
「他のことした方がいいでしょ」
「そう思うわ」
富美子はこの言葉を心から出した。
「本当に」
「そうでしょ、沖縄は基地を離れて色々勉強したら」
「物凄く面白いわね」
「自然環境とかね」
「そうよね」
「うちの学園の動物園に行けば」
八条学園の敷地内にあるそこにというのだ。
「そうすればね」
「色々わかるわよね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「それだけでね」
「沖縄って色々な珍しい生きものいるからね」
「ヒヤンやハイだってそうでね」
「アマミノクロウサギとかヤンバルクイナとか」
「イリオモテヤマネコとかね、何でもね」
姉はさらに話した。
「西表島ってこの山猫以外にもいるっていうし」
「未発見の山猫ね」
「そうだって言われてるしね」
だからだというのだ。
「それでね」
「調査の必要があるっていうのね」
「未発見の生きものだっているし」
俗に未確認動物、UMAという。実はパンダにしても最初はそうした生きものに区分されていたのだ。
「それじゃあね」
「そこから見ても面白いわよね」
「そうよ、そっちに興味がある人なら」
世の中そうした生きものに興味がある人も多い、そしてそこから新たな発見が生まれるものであるのだ。
「沖縄はかなりね」
「学びがいがある場所ね」
「お料理だってよ」
姉は今度はこちらの話をした。
「そーきそばとかあしてびちとか」
「ミミガーとかラフテーとかね」
「ゴーヤチャンプルだってね」
この料理もというのだ。
「あるしお酒もね」
「泡盛とかね」
この酒の名前も出した。
「あるしね」
「色々美味しいものもあって」
「それでね」
「そうしたものを見る方がいいわね」
「そうしたら差別とかしなくなるわよ」
「色々知ればね、基地にこだわることもね」
差別だけでなくとだ、富美子はこうも言った。
「なくなるわね」
「色々知ればね」
「沖縄のことも」
「沖縄も台湾もね」
「それで他の場所も」
「色々知ることよ」
「そうすることが大事ね」
「何といってもね」
こう言うのだった、そしてだった。
姉妹で飲んでいった、そのうえで食べて楽しんだ。富美子は差別の話をしてそこから多くを学んだことを後で思うことになったがそれは後の話である。
第百二十話 完
2024・2・1
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