夢幻水滸伝
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第三百三十九話 境を接してその九
「それで気を付けろっていうのは」
「はい、会談自体です」
「成功される様にです」
「そういうことやな、会談も政でな」
その中に入っているものでというのだ。
「それでやな」
「しかとです」
「お話をされて下さい」
「そやな、ほなな」
あらためて言うのだった。
「そうなる様にな」
「お話して下さい」
「お二方と」
「そうしてくるわ」
ここでも笑顔で話してだった。
ホイットマンは会談の場に挑んだ、そこは屋外に三つの椅子と大きなテーブルが用意されていた。どちらも樫の木で出来ていた。
その傍にミニーが立っていてだ、笑顔で言ってきた。
「こちらの世界でははじめましてですね」
「そやな」
「それぞれな」
スタインベックもいて言ってきた。
「こっちの世界やと初対面やな」
「ああ、二人共元気そうやな」
ホイットマンはここでも笑顔だった、その笑顔で応えるのだった。
「何よりや」
「そうですね、ほなです」
ミニーは彼の言葉に頷きつつ言った。
「これからです」
「三人で話すか」
「そうしましょう」
「そうするか」
「晴れていますので」
ミニーはさらに話した。
「場所はこちらにしました」
「屋外やな」
「まさに三州の接点で」
そこでというのだ。
「お話しましょう」
「今からな」
ホイットマンは頷いて応えた、そうしてだった。
三人は円卓のその席にそれぞれ着席してだった。
会談に入った、コーヒーとケーキが出されそれ等を前にしてだったがミニーが最初に口を開いて話した。
「私は私だけではもうです」
「限界を感じてるか」
「色々なことをです」
スタインベックに答えた。
「政をしていきたいですが」
「それでもか」
「はい、限界をです」
スタインベックの言う通りにというのだ。
「感じていまして」
「それでやな」
「他の方々と共に歩んでいこうとです」
「思ったか」
「そうです、ユタ州だけでもです」
今度は州の話をした。
「出来ることが限られてますので」
「それな、わいもや」
スタインベックはやや眉を顰めさせ右手の人差し指を立てて動かしつつ述べた。
「わいだけ、ネバダ州だけやとな」
「限界がありますか」
「お金も人手もや」
そのどちらもというのだ。
「足りへんわ」
「そう思われてですね」
「それでや」
そのうえでというのだ。
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