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星河の覇皇

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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その三十七

「しかしだ」
「それでもですね」
「他の国に対しては違いますね」
「マウリアとは友好関係を深めています」
「そしてサハラにもですか」
「あの国とも」
「関係を改善してだ」 
 そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「国交を樹立する」
「その様にお考えですか」
「総統は」
「あの国に対して」
「そうしてだ」
 サハラと国交を樹立してというのだ。
「あの国との敵対関係を終わらせそこからさらにだ」
「友好関係ですか」
「そこまで発展させる」
「そうお考えなのですか」
「敵は少ないに限る」
 カミュは強い声で言った。
「国家はな」
「はい、敵が多いですと」
「その分国力を向ける相手が多くなります」
「そしてその分疲弊します」
「どうしてもそうなります」
「兵を向けるだけでもな、だからだ」
 それでというのだ。
「我々としてはだ」
「敵は減らす」
「そうしますね」
「連合だけにする」
「それが総統のお考えですか」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「これからはな」
「サハラと、ですか」
「あの国が統一すればですか」
「その時は、ですか」
「あの国との関係を修復させて」
「さらに国交を樹立し」
「サハラへの備えをなくしますね」
 官僚達も口々に述べた。
「いいことですね」
「正直敵は連合で充分です」
「あの国はあまりにも巨大です」
「その連合との対立だけでもかなりのことです」
「そこでさらに敵がいるとなると」
「これまでかなりの負担でした」 
 エウロパにとってというのだ。
「その負担がなくなる」
「それは有り難いことです」
「総統の英断ですね」
「そう言っていいですね」
「私はこれは困難だと考えている」
 エウロパとの関係改善そして国交樹立はというのだ。
「非常にな、しかしな」
「それでもですか」
「このことは、ですか」
「真剣に考えていいのですね」
「エウロパの為に」
「敵は少ない方がいいからな」
 またこう言うのだった。
「だからな」
「それではですね」
「今後はですね」
「あの国とは関係を改善しますか」
「その様に動きますか」
「そうする、そして徐々にでもだ」
 実際に関係を改善させてというのだ。
「国交を樹立しそこからな」
「さらにですね」
「関係を深めていき」
「友好国同士となり」
「敵でなくなるのですね」
「敵は少ないに限るが友人は多いに限る」
 カミュは笑ってこうも言った。 
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