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ハッピークローバー

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第百十九話 他の国から見ればその三

「他の国の民族も」
「同じね」
「混血してるって言えば」
「どの国も同じね」
「どの民族もね、けれどね」
 それでもというのだ。
「欧州は貴族と平民でね」
「民族違うのね」
「ゲルマン民族の移動あったでしょ」
 ローマ領内へのそれがというのだ。
「その時で貴族はね」
「ゲルマン系になったの」
「それで今もね」
「その流れなのね」
「しかも貴族同士で結婚するから」
 このこともあってというのだ。
「血や家を守るとか婚姻政策とか」
「そういうので貴族同士で結婚して」
「尚更ね」
「民族が固まるのね」
「スペイン王家ハプスブルク家だった時あるでしょ」
 カルロス一世、神聖ローマ皇帝カール五世ともいう彼にはじまる。そして長い間スペイン王家であったのだ。
「あのお家ラテン系じゃないから」
「ゲルマンよね」
「そうでしょ」
「そうだったわね」
「まあお母さんはスペインの人だったけれど」
 狂女ファナといった、公には常にカルロス一世の共同統治者であった。
「それでも元はね」
「ゲルマン系ね」
「そうだったしね」
「今の王様もハプスブルク家の血入ってるっていうけれど」
「入ってるわよ」
 一華にきっぱりとした口調で答えた。
「お顔見ればわかるから」
「お顔でわかるのね」
「出てるから、特徴が」
「ハプスブルク家の」
「顎が少し出ていて面長で」
 そうしてというのだ。
「唇が厚くてお鼻が高い」
「そうしたのが出てるの」
「だからね」
「はっきりわかるのね」
「そうなの」
「そうだったのね」
「本当に欧州ではね」 
 この地域ではというのだ。
「貴族と平民がまだあって」
「民族が違うのね」
「そうなのよ」
「そのことを覚えておくことね」
「うちの学園でも貴族のお家の子いるでしょ」
「ええ、ちらほらね」
 一華もそうした子には心当たりがあって答えることが出来た。
「日本じゃあまり意識されないけれど」
「日本も貴族いたけれどね」
「平安時代ね、お公家さんね」
「それで華族にもなったわね」
「お大名の人達と合わせてね」
 そこに明治の功労者や社会的貢献を為した人達も加わっていた、それが戦前の華族であったのである。
「いたわね」
「まあ華族でも民族は同じだしね」
「それでもうないし」
「だからあまり意識されないわね」
「今の日本だとね」
「けれど欧州はそうだから。あと民族でね」
 この問題でというのだ。
「差別あるから」
「日本以上に」
「アイヌの人達とか差別されてるっていうわね」
「在日の人達とかね」
「その比じゃないから」 
 それこそというのだ。 
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