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カブトムシと粘土

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第二章

「大地という場所を創ってな」
「そこに人をやりますか」
「そうしよう、まずは土をつなぐものを出そう」
 こう言ってだった、タタラは水の上を歩く蜘蛛を呼んで彼に命じた。
「そなたは巣を張るのだ」
「そうすればいいのですか」
「水の上にな、そこに土を乗せてだ」
「大地を築きますか」
「そうする、ただ土を置くだけでは駄目だ」
 それではというのだ。
「蜘蛛の糸でつなごう」
「わかりました」
 蜘蛛も頷いてだった。
 水の上に巣を張った、タタラは次に水の中にいる蟹に命じた。
「そなたは珊瑚を持って来てくれるか」
「水の底から」
「それを水の上に上げて木というものにする」
 こう言うのだった。
「だからな」
「私はですね」
「珊瑚を持って来るのだ」
「わかりました」 
 蟹は頷き珊瑚を持って来た、タタラはそれを蜘蛛の巣の上に置いた、そして神は次にこれまた水の中にいる小蟹に命じた。
「そなたは海草を持って来るのだ」
「私はそちらですか」
「それは草というものにする」
「大地を覆うものにですか」
「する、ではよいな」
「すぐに持って来ます」
 小蟹はその言葉通りにだった。
 水の底から海草を持って来た、タタラはその海草をすぐに草にして蜘蛛の巣の上に置いた、そこで彼は言った。
「土台になる蜘蛛の巣の上にだ」
「草木を置くとですか」
「蜘蛛の巣に付いて根になってだ」
 そうなってとノストゥに話した。
「大地が出来てもな」
「根を張ってですね」
「生きていける」
「だからですね」
「大地を生みだす前に持って来てもらった」 
 蟹と小蟹にというのだ。
「そうしてもらったのだ」
「そうですか」
「そしてだ」
 彼はさらに言った。
「これからいよいよだ」
「大地をですね」
「生み出す」
「それでは」
「今度はカブトムシを呼ぶ」
 こう言ってだった。
 空を飛んでいるカブトムシを呼んでだ、こう命じた。 
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