金木犀の許嫁
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第六話 同居のはじまりその三
「豚肉を食べていました」
「そうだったのよね」
「それで豚肉を食べる一橋家の人なので」
それでというのだ。
「豚一殿とです」
「言われてたのよね」
「はい」
まさにというのだ、そう言われて大奥では彼は評判は悪かったと歴史にはある。他にも二心殿とも呼ばれていた。
「あの人は」
「まあ豚もね」
「僅かですが」
「食べていたわね」
「けれど羊になりますと」
「聞かないわね」
「そうですよね」
こう言うのだった。
「どうにも」
「そうよね」
「作るけれど」
夜空はここで二人にこう言った。
「羊料理も」
「そうしてくれるの」
「作ってくれますか」
「よかったらね」
二人に微笑んで言った。
「そうするわね」
「それはいいわね。私も作られるけれど」
真昼は妹にそれでもと言った。
「結構ね」
「お姉ちゃんお料理にムラあるよね」
「味加減がね」
「だからね」
それでというのだ。
「メインはね」
「夜空ちゃんね」
「作らせてもらうから」
「じゃあお願いね」
「夜空さんが一番料理上手ですね」
白華は微笑んで言った。
「私達三人の中で」
「そうなる?」
「私和食だけですから」
作られるのはというのだ。
「インスタントなら別ですが」
「私もそっちは失敗しないわ」
真昼も言ってきた。
「冷凍食品とね」
「そうですよね」
「まあこういうのはね」
「普通は失敗しないですよね」
「流石にね」
「はいです」
「けれど私お料理好きだし」
夜空はそれでと述べた。
「色々作りたいし」
「それでなのね」
「作ってくれますか」
「お料理はね」
こう二人に話した。
「同居してからも」
「そう、それじゃあね」
「お願いするです」
「私達も作るけれど」
「そうして欲しいです」
「じゃあね」
「あの」
ここで佐京が言ってきた。
「もうすぐね」
「あっ、そうよね」
「お父さんとお母さんが行くから」
「飛行機の時間ね」
「見送ろう」
こう言うのだった。
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