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ドリトル先生と不思議な自衛官

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第四幕その五

「是非ね」
「頑張ってね、僕はね」
 王子は自分のお話をしました。
「食べ終わったら執事さんとね」
 今も後ろに控えています、この人はもう食べ終えています。
「明日のことでね」
「お話をするね」
「そうさせてもらうよ」
 笑顔で言うのでした。
「僕は公務だからね」
「王子としてのだね」
「留学中でもね」
 そうであってもというのです。
「お仕事はね」
「あるよね」
「これがね」
「王室の人も大変だね」
「否定出来ないね」
 王子は少し苦笑いになって答えました。
「そのことは」
「そうだね」
「本当に何かとね」
「公務があるね」
「うちの国でもそうだし」
「どの国でもそうだね」
「特に日本の皇室はね」 
 王子は今自分達がいるお国のこちらの方々のことも思いました。
「そうだね」
「物凄いね」
「うん、もうご公務ばかりで」
「息をつく時間もない位だよ」
「そうだよね」
「あの方々はね」
「本当に大変だね」
 こう言うのでした。
「僕なんかよりもね」
「遥かにだね」
「うん、そういえば」
 王子はさらに言いました。
「皇室の方々は今は自衛隊には」
「おられないよ」
「そうだね」
「お一人もね」
 先生は確かな声で返事をしました。
「おられないんだ」
「今はそうだね」
「かつてはおられたけれどね」
「日本軍にはだね」
「戦争前はね」
「そうだったね」
「イギリスみたいにね」
 先生の祖国の様にというのです。
「そうだったよ」
「むしろイギリスに倣ったね」
「当時の欧州の皇室や王室にね」
「そうだったね」
「君主の家の方なら」
「当時は軍務に就いていたね」
「そして今でもね」
 先生はメインの豚肉のステーキを食べつつ答えました。
「イギリスではだよ」
「軍務に就いておられるね」
「そうだよ、けれどね」
「今の日本は違うね」
「自衛隊だしね」
 軍隊でなくというのです。
「それに戦前と今ではね」
「何かと違うから」
「皇室の方でね」
「軍務に就いておられる方はおられないね」
「だから軍服もね」
 この服もというのです。 
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