星河の覇皇
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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その二十六
「よい肉が入りましたので」
「だからですか」
「ステーキにしました」
「ビスマルク風の」
「そうです、この卵と肉の組み合わせが」
「絶妙ですね」
「ですから。それと肉ですが」
カミュは肝心のそれの話もした。
「是非召し上がられて下さい」
「味は確かですね」
「味だけではありません」
「といいますと」
「フォークとナイフを」
「使うことですね」
「まずは」
こう侯爵に話した、そして。
実際に侯爵も他の客人達もフォークとナイフを動かした、すると。
まずは目玉焼きが切れてだった、それと同じ位の切れ具合でだった。肉も切れて客人達は目を丸くされた。
「これは」
「肉がここまで切れるとは」
「目玉焼きを切る様に」
「こうした肉ははじめてです」
「全くです」
「はい、最高級の肉なので柔らかいですが」
それに加えてとだ、カミュは客人達に話した。
「そこにシェフがさらに工夫を凝らしてくれました」
「そうなのですか」
「首相のお家のシェフの方が」
「そうしてくれたのですか」
「シェフは肉を調理前にです」
まさにその前にというのだ。
「パパイアの酵素を使ってです」
「柔らかくしたのですか」
「肉を」
「それでこの柔らかさですか」
「はい、最高級の食材にです」
それにというのだ。
「さらに工夫を凝らし」
「そうしてですか」
「そのうえで、ですか」
「作ってくれたのですか」
「それで焼いたのですね」
「しかもです」
柔らかくしてというのだ。
「さらに目玉焼きもです」
「加えてビスマルク風にした」
「そうなのですね」
「それはまた凄いですね」
「そこまでしてくれるとは」
「自慢のシェフです」
カミュは笑って述べた、尚彼は家の使用人達からは実に気さくで気前がよく寛容なこれ以上はない主である。
「実に。これはチップを弾まねばなりません」
「確かに。味も素晴らしいです」
「塩胡椒の味付けにソースもよく」
「そして焼き加減もです」
「実にいいですね」
「目玉焼きのそれまで」
「この目玉焼きは有精卵です」
これだというのだ。
「当家の卵料理はです」
「有精卵ですか」
「それをお使いですか」
「それで、ですか」
「今もですか」
「こうしてです」
まさにというのだ。
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