星河の覇皇
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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その二十
「これより」
「はい、それでは」
「その様にさせてもらいます」
「これより」
「ヒラメのそれを」
実際にそこにヒラメ料理が来た、カルパッチョもムニエルもフライもだ。そのヒラメ料理を食べてそうしてだった。
客人達は舌鼓を打ちそうしてカミュに言った。
「いや、実にです」
「美味です」
「最高級のヒラメですね」
「味がよくしかも大きい」
「最高のヒラメですね」
「漁場から話を受けてです」
そうしてというのだ。
「私は閃きました」
「今宵の宴の主役にしよう」
「その様にですか」
「思われたのですか」
「はい、そしてまとめて買い入れ」
そのヒラメ達をというのだ。
「シェフに話をしてです」
「そうしてですね」
「この様にして作った」
「左様ですか」
「そうです、しかし」
カミュは自分も食べつつ言った。
「こうして食べますと」
「実際にですね」
「かなりの美味しさですね」
「このヒラメは」
「私の判断は正しかったです」
今度は笑って言った。
「美味しいものは直観からわかる時もある」
「左様ですね」
「これは美味しい」
「そう確信する時がありますね」
「確かに」
「そしてそれに従い」
そうしてというのだ。
「ヒラメ達を買い入れてです」
「調理してもらった」
「するとですね」
「実際にでしたね」
「この味でした、しかし」
ここでカミュはこうも言った。
「この味付けはフランスのものです」
「首相のお国ですね」
「そちらの味ですね」
「それもベルサイユ風ですね」
「宮廷料理の味です」
そちらだというのだ。
「そうしました、しかし」
「しかし?」
「しかしといいますと」
「何か」
「この素材を活かした味を出してもです」
そうしてもというのだ。
「連合では違います」
「はい、あの国はそうですね」
「それで有名ですね」
「素材を活かすどころか」
「連合のどの国も調味料や香辛料をやたら使い」
「素材の味を殺しますね」
「このムニエルにしましても」
カミュはそのムニエルを食べつつ述べた。
「胡椒をこれでもかとかけ」
「そして調理しますね」
「実際に連合軍ではそうして食べていましたね」
「魚介類にしても」
「ブイヤベースもです」
この料理もというのだ。
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