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星河の覇皇

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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その十二

「それが結果としてです」
「我々を追い詰めてきていますね」
「連合軍を強くして」
「我々への備えもさせて」
「手強くさせていますね」
「ですから」
 その為にというのだ。
「私は今日本が最も腹立たしいです、あの国がなければ」
「そうも思われますか」
「首相としては」
「そしてあの長官殿がいなければ」
「その様に思われますか」
「はい、もっともそれ以上にです」
 忌まわしく思う以上にというのだ。
「日本の様な国がエウロパがあれば」
「心強いですね」
「それだけで」
「随分と違いますね」
「まさに」
「そしてあの長官殿もです」
 再び八条の話をした、その顔は忌まわしいものを語るものであったがそれ以上に羨望すら存在していた。
「味方ならば」
「有り難いですね」
「素晴らしく有能な人材でしたね」
「そうなっていましたね」
「政治家としてです」
 巨大企業グループの後継者としてでなくというのだ。
「非常にです」
「辣腕を振るって」
「それで、ですね」
「エウロパを大いに発展させてくれましたね」
「そうでしたね」
「そうなっていました」
 間違いなくというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「今もそう言われますね」
「首相としては」
「そう思われていましたね」
「はい、有能な敵はです」
 そうした者はというのだ。
「味方になればです」
「有能な味方になりますね」
「その時は」
「そうなってくれますね」
「ですから彼がエウロパにいればとです」
 その様にというのだ。
「常に思います」
「ですね、しかし彼は連合にいます」
「連合中央政府の国防長官です」
「その地位で辣腕を振るっています」
「それで、ですね」
「苦く思います。この政争で連合の成長率が鈍るだけでなく」
 それに止まらずというのだ。
「彼の進める軍事政策もです」
「滞れば」
「そう思われていますね」
「そうなのですね」
「強く」
 ただ思うだけでなくというのだ。
「その様に。ですが政治は最悪の事態を考えるものです」
「その最悪の事態に対して対処する」
「それを常に思うことですね」
「それが政治ですね」
「まさにそうですね」
「ですから」
 それが為にというのだ。
「このことも止まらないとです」
「考えてですね」
「そうして手を打たれますね」
「そうされますね」
「そうです、彼は敵であり優秀な政治家です」 
 こう言うのだった。 
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