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仮面ライダーディケイド 本当の自分自身

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第十九章

「ちょっと。そういうことは」
「おわかりになられませんか」
「すいません」
「そうですね。ですが私はわかります」
 彼はそうだと。笑みをそのままに話すのだった。
「そうしたことも」
「どうしてですか?それは」
「色々とありまして。だからですよ」
「色々をって」
「しかし今はそれをするつもりはありませんので」
 これもまた静香にわかる話ではなかった。どうしてもだった。
「ですからそのままです」
「そうなんですか」
「では。もう一杯如何ですか?」
 静香にコーヒーをもう一杯勧めてきた。
「よかったら」
「あっ、すいません」
「はい。しかし貴女はファンガイアではないのですね」
「人間です。身体は」
 紅達を気遣っての言葉である。彼等がファンガイアであることもわかっていたしこれまで会ってきたライダー達に彼等と同じ様な事情の者もいたからである。それで自然とそうした気遣う言葉が出て来たのである。
「そして心も」
「そうですね。身体はファンガイアではないのですね」
「色々言われましたけれどそうなんですよ」
 こうした事情も話すのだった。そうしてそのうえで今は二人でコーヒーを飲みクッキーを食べる。二人は待つという自分達の仕事をしていた。
 門矢達は塔に向かう。その途中敵はいなかった。
「いないな」
「今のところはそうだな」
 こう小野寺に返す門矢だった。今彼等はそれぞれのバイクに乗っている。次狼達はワゴン車だ。合わせて八台のバイクと一台の車である。
 それで進みながらだ。彼等は話すのだった。
「おそらく先の戦いで迎撃の戦力を失った」
「そうだよな。けれどな」
「そうだ、必ず出て来る」
 それはもう想定しているのだった。
「奴等はな」
「問題は何処から出て来るかですよね」
 光もバイクに乗りそのうえで言う。
「何時何処で」
「直前じゃないかな」
 海東はそこではないかというのだ。
「もうね。手前でね」
「そうだな。手前だ」
 そこだと予想する門矢だった。
「塔のところで出て来るな」
「そうですね。ここまで来て出て来ないとなると」
 紅も話に加わってきた。彼等もバイクに乗って進んでいるのだ。
「間違いなく塔で」
「その塔でどれだけの戦力がいるか」
 名護はそのことを考えている。
「それが問題だな」
「問題はそれだな」
 登も話す。
「どれだけの戦力が待っているかだ」
「戦力はあまりないのかな」
 マサオはこう考えていた。
「やっぱり」
「いや、それはどうか」
 門矢はマサオの今の考えにすぐに反論してきた。
「果たしてそうか」
「そうかって今も出て来ないし」
「幹部クラスはな」
 そうした存在はだというのだ。
「しかし怪人や戦闘員はどうか」
「怪人に戦闘員」
「そうした相手が」
 他の面々も彼の言葉に入る。
「そういえばあの時は幹部クラスばかりで怪人はいなかったし」
「それなら」
「そうだ。確かに幹部クラスはあらかた倒した」
 門矢はまた言う。ここでアマゾンのジャングラーやブラック、そしてRXまで来た。だが彼等はまだ変身しておらず人の姿のままである。
 
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