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夢幻水滸伝

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第三百三十四話 フェニックス攻略その一

                第三百三十四話  フェニックス攻略
 ホイットマンは家族持ちや恋人がいる将兵達は今は全てフェニックスから退かせトウェインに預けた、だが。
「それ以外で退くモンはな」
「いないですね」
「一人も」
「誰もが戦うと言っています」
「決死の覚悟で」
「家族や恋人がおるモンも残ると言ってたしな」
 誰もがとだ、ホイットマンは将兵達に話した。
「しかしな」
「それでもですね」
「何とか彼等も去らせましたね」
「そうしましたね」
「苦労した、しかし今度の戦は激しい戦や」
 まさにというのだった。
「そやからな」
「この度はですね」
「傷付いて悲しむ者を出さない」
「死んでそうなる者も」
「だからですね」
「退かせた、残ったのは二千か」 
 それだけであった、今フェニックスにいるのは。
「皆案外家族や恋人がおるな」
「そうですね、思えば」
「案外身寄りがいるものです」
「むしろ我々の方が例外です」
「親兄弟妻子恋人がいるものです」
「皆流浪の冒険者や傭兵あがりやな」
 見ればそうであった。
「こっちの世界で身寄りがないとか」
「そうした職業に就きます」
「そして生きていきます」
「そうした者が多いです」
「それか娼館に行くか。おいら達が起きた世界のアメリカもそんな人は今もおるしな」
 ホイットマンは深く考える顔になって述べた。
「身寄りがなくて明日も知れん世界に入ってや」
「そして生きる」
「そうした人はいますね」
「どの世界でも」
「そやな、ただそうした人でも刹那な生き方はせん様にする」
 そうしたというのだ。
「世の中にせんとな」
「駄目ですね」
「この世界では」
「そうお考えですね」
「政をやるにあたってそう思うわ」
 こうしたことを言ってだった。
 ホイットマンは残った者達を率いて街の守りを固めた、残った兵は少ないと言うしかないがそうした。
 フェニックスのそのことを聞いてだ、ミニーも言った。
「こっちもそろそろ総攻撃がはじまるしな」
「敵軍の」
「それがですね」
「間もなくですね」
「敵は大軍で装備もええ」
 このことはフェニックスと同じである。
「それやと辛いほんまに決死の戦になるし」
「だからですね」
「今はですね」
「ホイットマン様の様にされるのですね」
「こっちも」
 ソルトレークシチーにいる軍もというのだ。
「家族や恋人がおる人に」
「戦いたくない者」
「そうした者はですね」
「下がらせますね」
「そうしよな、戦には悲しみはあるが」
 それはどうしてもあるというのだ。 
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